國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

森田芳光

先日の「失楽園」に関してもう少し書くこともあったんだけど、気がノラなくてそれきりになってしまったが、
岩井俊二に対してはどこか抵抗があるのと違い、森田芳光に対しては映画自体はひでえなあとか思いつつも、
なんだか彼を否定する気にはなれないのです。
家族ゲーム」や「ピンクカット 太く愛して深く愛して」(両方共83年の作品だ)、そして「の・ようなもの」
へのノスタルジックな想いがあって彼を捨て切れない。
そういった映画はちょうどおれが学生の頃、20歳代前半であって、そういった点でも甘酸っぱい思いがどうしたってあるのだ。
監督としての才能も、彼自身のキャラクターも、見限るに相応しい、そしてもちろんこれからもない、
けどやっぱり、ま、いいか、と「夕方夕方」ってノートにいっぱい書いてた(「家族ゲーム」)、なんかあれが切ないのです。
時が経つとすべてはいい思い出になるのです。