國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

中島貞夫

荒木一郎は常によいが、「にっぽんSEX旅行」の冒頭、車を運転する彼の横顔のアップがいきなりよかった。
「にっぽんSEX旅行」って、ぜんぜん旅行しないじゃん、それどころかアパートの一室に閉じ篭っちゃうし、
と思ってたら監禁されるあのジンガイのおねーちゃんが「にっぽん」に「旅行」してたのね、
と映画観終わってから気づいた。
中島貞夫で特集組むならこの際佐藤純彌スペシャルとかもやってもいいじゃん、とか思ったが、
「敦煌」と「人間の証明」をメインに。(それは違う。)
その伝で日活方面でも舛田利雄特集とかさ、あと斎藤武市スペシャルやって欲しい。
斎藤武市でのメインは「東京の暴れん坊」だ!これはマジ。
(あと「愛と死をみつめて」をやってもいいよね。時期的に。「世界の中心で〜」絡み。)
更に「花ひらく娘たち」、こういうのが好き。
これって確か吉永小百合がゴーカートに乗るシーンがある映画じゃなかったか。
昔TVでそのシーンを見て、なんか「ああ。いい。」と思ったのだった。
さて。中島貞夫に話は戻り。
「セックス猟奇地帯」は当然も当然、60年代のルポだが、昔はやたらと60年代に対しての憧れ、懐かしさみたいのを
感じてたもんだったが、最近はもう60年代モンはいっぱい見た、聞いた、打った、走った、
気がするので飽きと馴れが出て来て、80年代とかがもっぱら懐かしい。
「にっぽんSEX旅行」、上映後「"ロスト・イン・トランスレーション"みたい」云々という声が聞こえて来て、
みんな考えることは一緒だ。おれもなんかそう思った。観てて。なんとなくだけどさ。
五重塔のせいかも。
ソフィア・コッポラに見せてあげたい。
「にっぽんSEX旅行」、「893愚連隊」、こうした京都が舞台になってて若者が主役の話って、
監督自身の若い頃の思いが投影されてるのかなぁ(東映だけに)とかちょこっと思いついてみたりした。