國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

日記

明治より以前、童貞とか処女のままでいるってのはきっと滅多にあることじゃなかったろうと時折考える。
大体夜這いとかふつうにあったし、結婚しないで生きるなんてほぼ不可能だ。そういう時代じゃ。たぶん。
そういえば「一人暮らし」ってのはいつぐらいから可能になり、更に一般化したんだろう?明治?大正?昭和?
(江戸時代のことはぜんぜん知らないけど、どこに住むとか個人の自由ってわけにはいかなかったような気もする。
そういうのって実際は結構ルーズだったりするのかも知れないけど、でもなんらかのコミュニティーと
関わらずに生活するのは不可能だったんじゃないかしら。それに文明の度合いが今とはぜんぜん違うし。
冷蔵庫と炊飯器が一人暮らしを可能にした。あ。そうだ。職業選択の自由と一人暮らし、ってテーマでも
考えてみたい。でもいまはお題が出ただけなのでなにもアイディアがない。
昔は学生の一人暮らしといっても賄い付きが一般的だった。食事をそう簡単に用意することなんて出来ない。
冷蔵庫もない。夜開いてる店も飲み屋以外にはない。コインランドリーもない。
コンビニはもちろんない。カップラーメンだってない時代。
エアコン付きワンルーム・マンションに住むというのもおれが学生時代くらいから徐々に有りに
なって来たんじゃないかと思う。だから冬というものは必然的に寒いものだった。
「部屋があったまる。あったかい」なんてことはずっとずっとなかった。ごく最近のことだ。
コタツしかない。せいぜい。あとはドテラでも着て暖をとるだけ。つまり冷え冷え。おれも学生時代、
冬場、部屋をあったかくする方法を模索していた。エアコンはない。20年前の時点で築25年のアパート。
四畳半。ガラス窓。共同便所。トイレの近いおれには辛い時が度々あった。一時、前立腺炎が高じて
オシッコが止まらなくなったことがあって、あの時はほんとに辛かった。オシッコした先から
またしたくなる。いくらでも出るのだ。オシッコが。残尿「感」じゃなく、残尿そのものが常時。
ほんとに止め処なく。医者にも気軽に行けるような精神状況じゃなかったので、ただがんばってた。
ただでさえ精神的に常時耐え切れない状態なのに、追い討ちを掛けるようにそんな症状が出てしまい、参る。
(たぶん精神的な状態が症状にも反映されていたのかとは思う。でも実際に炎症は起こしては
いたんだけどネ。)どう克服したのか、いや、時間と共に症状は多少マシになった、ぐらいで
なんとかその後過ごしていたんだと思う。しかし心身共あんな状況なのに、そのことを愚痴る相手
ひとりいないんだから。口を聞く相手のいない生活。一人暮らしでともだちゼロ。がんばった。