國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

大林宣彦

HOUSE [DVD]』を観る。
これ、昔何度もTVでやっていて、その度断片だけ観たことがあるのみで通して全編観たの初めてだ。
池上季実子のおっぱいが見れる。あと松原愛という娘のおっぱいもたぶん本人。
大林監督のこの乳首出しの手腕はほんとスゴイ。よそじゃありえない。
一体どうやって口説いてるんだろうなあ。事務所とかそのへんの許諾だって必要だろうし。
おっぱいだけじゃなくて、神保美喜がほぼ下着のような姿で半ケツ出しっぱなしで動き回るし、
女の子のスカートがまくれれば、ちゃんとパンツが見える。
ほんといやらしいよなあ。スケベ丸出し。正直とも言える。本音丸出し。
(ふつう、すけべな人だとおれ、共感出来るんだけど、大林宣彦はどうにも波長が違ってて
距離を感じてしまう。
あの一連の少女幻想みたいのとかがまったくにおれの趣味じゃないせいだろうなあ。)
この映画、そんなわけで理解不能のメルヘン趣味と少女幻想とかに違和感を抱きつつも、
(すべてのカットに仕掛けがほどこしてあって、満艦飾だし。)
でも映画は気がつくと魅力的だった。なんだか傑作じゃないか、これは、とか
映画が終わる頃には思ったりしてた。
DVDにはおまけで監督自らこの映画について滔々と語るの巻がついてるが、
当然例の猫なで声でまったく胡散臭いもいいトコ。
娘を「ちゃん」づけ、かみさんを「さん」呼ばわりしてたり。
一見気楽な甚平(?)みたいな作務衣(?)みたいなもの着てるんだけど、
手にはいかつい指輪を2つも嵌めてるし、もっとずっと若い頃には派手目なファッション、
先端ギョーカイ人な出で立ち、猫なで声の語りはそのカメラ目線と相俟って
あまりにも巧みで、疑う人を知らない人だと、やさしい素朴なおじさん、くらいにも受取りかねない雰囲気。
たぶん本人目の前にしたらちょっと逆らえない。気圧(けお)されそう。
言う事聞いちゃう。乳首出しちゃう。
観てる作品も少ないが、大林宣彦、おれにはまだまだ謎だ。
これから解明していきたい。(気が向いたら。)
観ると結構好きだったりするんだよな。『彼のオートバイ、彼女の島 [DVD]』なんて
たまたま観たら、いい映画じゃん、これ、って思ったりしたし。
でも『天国にいちばん近い島 [DVD]』観たら、ひでえ、とか思ったりしたけどな
(それはそれで別の意味でおもしろかったりしたんだが)。そこらへんの揺れ具合もまた気になる。
あんま観てないので一貫した像がおれの中にないのがなんかもどかしくって。
とりあえずおれの大林宣彦像っていうと「少女の乳首出し名人」「ロリコン」
「画面に手を加えたがる」「猫なで声」、くらいか。うむ。