國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

日記

実はサイモン&ガーファンクル(と表記するが、「&」は「と」と発音される。
それでどうしたかっていうと、そうだよな、ってだけの話で落としどころはない。)って
TVやラジオなどでたまに流れてるのに遭遇する程度でちゃんと聞いたことはない。
LPもCDも持ってない。そして今回、なんとなく聞いてみようと思い立ち、レンタルしてみた。
ついでにポール・サイモンのソロも。「時の流れに」だけっか聞いたことなかったし。
それだって、「恋人と別れる50の方法」がヒットしてるの、リアルタイム(小学生の頃)
だったってのに、LP時代に買ったことはなく、CDで、それもそんな昔でもなく買ったくらい。
なんとなく避けて生きてきた。たぶん軟弱な感じがしたんだと思う。それでスルー。
よって多感な時期には聞かず、そうすると出会いがより遅くなってしまう。単純に言って、
おれにとって思い入れのあるミュージシャンはLPでかつて買った人たち、大学時代くらいまでに
出会った人たちになる。まあ、誰でも大体そういうもんだろう。二十代前半くらいまでの
出会いってのはやっぱ大きいよな。昔は曲名もちゃんと憶えられたし、歌詞だって結構
気にしてたし、憶えたりもしていたし。大学生になって(一人暮らし)、アルバイト
するようになってレコード、それまでが月に1枚がせいぜいだったのが、数が増え、その後、
卒業して実家へ戻り、少ししてまた一人暮らし、その時にはLPもプレイヤーも持っていかず、
重いし、幅取るから、聞けなくなったものがいっぱい出来てしまったが、それくらいから世間は
CD時代へ突入、おれはビデオ屋勤め、80年代のJ-POPの前進時代、当時おれはそれらを貸す側で、
しかしそういった音楽を憎んでいたが、たまに自分の聞きたいものを入れてみたり、好きなもん
流してみたり、そうして3,4年は経ち、ビデオ屋は辞め、もう29歳とかだったと思う、
CDのコレクションも徐々に増え、つきあった相手の影響で日本のロックも聴くようにはなり、
ここ数年に至りようやく最近のものにも興味を示せるようになり、それまでは70年代止まり、
頑なだった、そうならざるを得なかった、第一、音楽の話の出来る相手ってのがおおよそ
いたことがない、ともだちもいなかったし、世間とは没交渉、それが彼女が出来たり、
人付き合いもあるようにはなり、視野も拡げる気になり、ヒップホップってやつをお勉強、
DJプレミアの御蔭で目が覚め、その後はナウな音楽、殆どがまったくにR&B、ヒップホップ
ばかり、そもそもが体質的に黒人音楽との相性がよかったのが幸い、ヤング諸君になんとか
追いつけるようになった。ダンス・ミュージックにとっつければ、なんとかナウに
ついて行けるし。そんなわけで今日、新宿のタワーに行ったらヒロシがインストアしてた。
それでおれはどんな機器で、どれくらいのLPやCDが手元にあり、時期時期に実際的に聞けたり、
聞けなかったりしてたかを記そうとほんとは思って上記になったが、そこんところはあんまし
書けなかった。ラジオで聞いてた時代とか、初めて買ったLPとか、手元に音源が殆どなかった
時代とか、うちが貧乏だったので、ステレオってやつがずっとなくて悶々としてて、だって
さだまさしとかアイドルとかしか聞けないようなやつがちゃんとしたステレオ持ってて、
おれみたくキング・クリムゾンとかピンク・フロイドとか聞いてる人間にステレオが
ないってのは全くに理不尽、と思わざるを得ないじゃないか、で、どうしてたかっていうと、
ふつうのシングル盤とか聞くようなプレイヤーで、アームを無理やり反対側に落としたりとか、
なんか色々工夫して聞いてた、そんなわけだから中学生くらいじゃLPなんか滅多に買えないのは
当然、それ以上に持っていてもまともに聞ける環境になくて、いっつも中途半端な気持ちだった、
あと当時はFMラジオのビートルズ特集とかたまにやるとラジオの前でじっと2,3時間、
特集のやってる間聞いてたりもしたなあ、それにあれだ、ちゃんとしたステレオとかじゃないから、
ヘッドホンとかそういうのんが使えなくて、夜とかに聞きたくても、なかなか聞けない、
小さな小さな音で『原子心母』を夜、聞いてたのを印象的に憶えてる、あとそうだ、
プレイヤーが貧弱極まりないし、ちゃんとした使い方でなく、シングル用のやつでLPとか
聞いてたわけだし、そんなわけでステレオの片チャンネルの分しか音が聞こえないようなこと
とかあって、「エリナー・リグビー」とか、人の家のこれはふつうのステレオで聞いたら
家で聞くのとぜんぜん違うんだもん、なんかそんな状態でビートルズだってなんだって
聞いてたよ、人一倍音楽には関心があるのに、実に実にもどかしかった、だからラジオで
エアチェックしたものとか、ともだちに自分の持ってるLP、録音してもらったカセットと
か、そういうものだと例え小さな小さなカセットテープレコーダーじゃあっても、一応
両方のチャンネルの音は聞こえるし、入ってるし、ありがたかったもんだ、そうして
高2くらい(?)にようやく、中古の、図体がでかいばかりのしょぼいステレオを
買ってもらい、ようやく。
あとはLPを昔はどう扱ってたかとか、たまにリッチで3枚もまとめて買ってしまうと重くて
往生したこととか、学生時代のアルバイト先で、そういやLPをごっそり持ってきてるやつが
いて、その彼、DJってやつで、それでバイト終わるとそれ持ってその手の場所に行くわけで、
当時おれにとってDJだなんてまったくに想像の外、なんか重そうだなあってことしか
わかんなかったこととか、ある時期まではレンタルとか不純だ!とか思ってたこととか、
いまはもうどうでもいいじゃないって感じ、でもビデオ屋時代、おれにはまったくつまらん、
くだらんもんばかしみんなして借りてゆくのに直に接していて、その上、音楽の話を分かち合う
相手もいないので、余計頑なにならざるを得なかった、なんだかそんなこととか、
リスニング歴みたいのを一通り書いてみたいなあ、もうちょっと、ほんとは。LPとかCDとか
ラジオとか、そういった物理的なことをメインに。ミュージシャンじゃなくて。でも大体
上記書いたようなことだけど、もう少しは付け加えることもあるとは思うし、どの店で
どんな風に買ったとか、購買の方法の変化ってのもあるな。ウォークマンとか、ヘッドホンで
聞くとか、今なら車で聞くのが中心だとか、なんかそういったことも。音楽を聞くと言っても
媒体や状況は実は色々で、そういった面を気にしてみたい。映画だって、もうこれはおれは
何度もおんなしこと書いてて、またあれだが、まあおんなしこと書くのに反省をするのは
とうに止めた筈だったが、まあともかく、よくあるのが「映画は映画館で」って言説で、
その言い回しを聞く度、またかよ、ちぇっ、って気分になり、大体「正しい映画の観方」
だなんてまったくにナンセンス、音楽だっていろいろな聞き方してるじゃん、だったら
映画だってそうだよ、それなのにそんな現実を無視、まったくに観念的な決め付けしてる間に、
どういう媒体、どういう状況で映画は観られて来たか、音楽は聞かれて来たか、そういったことを
考えてみるのも一興、たのしそうじゃん。だいいち。