國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

映画鑑賞の一日

そんなわけで上記予告通り、観に行って来ました。
行ってよかったです。たのしかった。
ああして下足を脱いで上がるのなんざ高田馬場のACTミニシアターか、
渋谷のマンハッタン・レコード以来。(ざっと20年弱ぶり、ってこと)
感想はありますが、書いているとまた何時間も掛かり、いつもの如くねむれなく
なってしまうので、大方省略。でも簡単には。
『大阪ストーリー』監督:中田統一
自分の家族、特に父親のことを考えてしまいました。あれこれ。
タイプもぜんぜん違うし、そんな大したエピソードもないけれど、でもなんかね。
あとあれだ、父親がああして骨太、金貸しとかで商売して、ヨソに女がいて、みたいな人でも
その子供となると、いきなり軟弱で、統一教会に入っちゃったり、
文化方面行っちゃって、映画とか撮っちゃったりしちゃうんだよなあ、
親子ってベーシックな部分では似てはいてもその出方はぜんぜん違うよなあ。
なんかそんなことを思いました。
もひとつ、ってまた簡単とか言いつつ、なんか書いちゃってるけど、
この映画に出て来る、親族集まっての宴会みたいのとか、なんかすげえ近しい風景だなあ。
どう考えてもコジャレでもなんでもなくってさ、垢抜けなくて、
気不味くて、白けててもいて、でもなんとなしあたたかくて、なまぬるくて、
ああいう空気、覚えがあるよなあ。なんかああいうの見てると、なんともいえない。
親戚が集まった場って、大概あんな感じ。在日とかそんなん関係なくな。
おれなんかまだいいけど、せいぜい気取ってしゃれのめしてたって、現実はあんなもんだ。
気取んのもばかばかしくもなるが、でもまあ気取るのもわるかない。
どっちもありだ。世の中にはいろんなことがある。いろんな場面がある。いろんな関係性がある。
『青chong』監督:李相日(これだけ劇映画。フィクション)
なんでオフビートかなあ、以下省略。
『あんにょんキムチ』監督:松江哲明id:matsue
ああ、これ見てよかった。ごくごく単純に言って『アイデンティティ』とおんなじ空気だ。
(乱暴な。しかもある意味、あたりまえだ。おんなじ監督じゃん。
芸のない言い方しちまったゼ。ともかく。)
安心した。っつうか、むかし、この映画の評みたいのをちらっと見たことがあって、
それによるとなんかもっとベタベタな、ありがちな展開、みたいな感じのことが書いてあって
まだ観ぬうちのおれにはなんか印象があまりよくなかったんだな。
以上、評の類は参考にはなるけれど、でも現物観るに限る、ってな話。
で、映画の方。やっぱ女の子が可愛かった。
松江監督は女の子可愛く撮るにかけては天下一品。
始め、ナレーションが女の子の声だから、あら?この子はだぁれ?なぜ女性のナレーション?
とか思いつつ観てたら、監督の妹だった。
彼女、この映画の時点で19歳、ギャルっぽくって、可愛かった。
そんなわけでおれの中では松江監督の妹に萌える映画ということに決まりました。
ええと、それから。
おれ、松江監督の声と喋り方が好き。
トークショーで本人も近くに見たけど、やっぱ好き。いい感じ。ルックスも好み。
でだ。映画でも彼のナレーションとか、声が聞こえて来ると、それだけで気持ちがよい。
当初はスタッフから「ゆきゆきて神軍」みたく行け!みたいな煽りもあったとか言う話だけど、
結果的に出来たこの映画、でもどこか力の抜けた空気、やっぱいいな。
「神軍」っぽいヴァージョンも可能だという話だけれど、おれはなんか、
とりあえず、これでいいや。こういうの好き。
他に。1回(?)カメラが天を向いて青い空に雲がわずかたなびいたショットがあったんだけれど、
これに似た青空のショット、確か『アイデンティティ』にもあって、
なにがしかの風景を挿んで映画に叙情的な空気を導入する感じ、あれも好き。
(あ。ちょっとこの手の言い回しはいやらしいが、仕方ない。感想、評論の類に
こういうのはつい、入れたくなるのがやはり人情。抑え切れない。)
つづき。で、叙情的なショット、それに女の子が可愛い、この2点は監督の得意だとは
前回『アイデンティティ』を観た折にも得た感触で、今回、書いてみたりしました。
さらに。『大阪ストーリー』もそうだったけれど、『あんにょんキムチ』観ても、
やっぱ自分の家族のこと、考えちゃうよなあ。いや、家(うち)はそんなドラマとか
ないけどさあ。でもな。誰しもそうだろうし。家族、って自分にとってはあれこれね。
でもそこらへん、いまは省略。
結局、そこそこは書いてしまった。もっと簡素に一行程度で済ますつもりが。
それにまだ書けるような気もするが、キリがないので、とりあえずここでお開き。