國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

NANA

NANA」、もう1回行って来たよ。
幸い今日はシネコンのポイントが溜まっていたのでタダだった。
世の中、タダほど有難いものはない。
ちょろっと出て来る、タワレコ、あれ、吉祥寺店かなあ。だよね。たぶん。
(ネット回るとこういうの、すぐ答えがわかりそうでつまらんなあ。
便利なのも考えものだ。)
2回目の方が全体に芝居の大根ぶりとかが分ってしまったりもしたが、
例えば松田龍平はおれ、好きなんだけど、これだと一本調子だよなあ。
ワンシーンワンショットはなかったと思う。
そういうことが出来る企画じゃないしね。
芝居をじっくり練り上げるようなことは出来なかったろうし。そもそも。
原作の再現て使命がどうしたってあるし。
それでも大谷テイストがそこここに感じられれば、おれとしては満足。
DVD出たらまたどうせ観るし。
トラネスのポスターがカッコよくって、よく出来てた。
そういうセンスはやはり大谷健太郎
でもこの映画に趣味のよさは却ってカセになったかも知れない。
もっと全体に下世話な方が内容には向いてる。
ライヴシーンもどうしたって低熱になってしまっているし。
登場人物で車に乗る人はいなかったと思う。もっぱら電車。
中途で、タクシーに乗るか。ナナとハチが。
でも車内シーンはなかったはず。
今までの大谷映画でも車は出て来ても誰か運転してたことは果たしてあったかどうか調査したい。
前作の「約三十の嘘」は基本的に電車内の話だし、最後の方でタクシーに乗ってたけど、
でもやっぱタクシーだ。
もしかして大谷健太郎って車、苦手?免許持ってない?
宮崎あおいの母親が宮崎美子だった。
ナナよりレイラの方がずっと歌が上手く、声量もあるのだった。
中島美嘉はやっぱ歌はちょっとあれだからなあ。
声量もそんなあるわけじゃないし。
中島美嘉、曲に恵まれていて、それなりに味もありはするけど、
でもちょっと物足りなかった。この映画では、特に。
部屋の造りが見えて来ない、みたいなこと書いたけど、そう感じた要因がわかった。
ナナの部屋がぜんぜん出て来ない。
ハチの部屋か、2人の共同スペースのみ。
そこらへんがなんかもどかしくて、部屋の造りが、みたいにおれは感じたらしい。
でもなんでナナの部屋は出て来ないのだろう?
ハチなんか実家の自分の部屋まで出て来るのに。
そこらへん、屁理屈捏ねたいところだが、現在アイディアがない。
あ。自分の居場所がない、ってことかしら。
レンの部屋でレンと2人、バスタブに漬かったりとかはあっても、
東京出て来る前に住んでた家も出て来ないしな。そういや。
恋愛でもバンドでも宙ぶらりん、そういったところの結果が、
ナナの部屋がまったく出て来ない理由の一端かしら。
(なんとなく、それっぽいことが云えた。よかった。)
ナナとハチ、実際がところ、ハチ役の宮崎あおいの方が大きいんだよな。
それどころか、ナナ役の中島美嘉、雰囲気はなんとなく出てはいても、
小さいし、なんといっても華奢。すっごい華奢。映画で観てても華奢。
細過ぎる。腕も脚も。
転じて宮崎あおいはベビーフェイスにも関わらず、そんな小さくはないし、
背も結構あるし、身体つきもふつうだし、それに比して中島美嘉が極端に華奢。
ちっちゃい。
そこがナナとハチのキャラクターを考えると(って原作は知らない)、ちょっと違和感。
ハチはどちらかといえば小さくて、かわいらしく、って感じだもんなぁ。キャラ的に。
ナナがハチを抱く場面でも、抱ききれてないっていうか、ハチの方が大きいんだよな。
別に宮崎あおいしずちゃんぐらいにでかいわけもなく、中島美嘉が華奢なんだもん。
あと、宮崎あおい、顔立ちは若干幼げでも、内面の大人っぽさが滲み出てて、
あんまり、天然ぽいとか、恋愛体質っぽく見えない。
なんかしっかりしてそうにも実は見えてしまう。
(仕事中にケータイ、マナーモードに設定してなかったり、
コピー斜めに取っちゃったりしそうには見えない。
むしろ確実にテキパキと仕事こなしそうな感じ。)
たぶんハチ本来のキャラクターはそんなんじゃない。
もっと無意識過剰のぶりっ子とかそういうんだろう。(たぶん)
「恋する乙女、恋愛第一な女の子を演じてます」という様子が見えなくもない。
でも上手いから、観てて安心感はあるので安心。ブレない、って感じ。
だからあれだ、前回、「卑怯なぐらい可愛い」って書いたが、
確かに言うまでもなくかわいいけど、スキがない感じでも一方ある。
「・・・わざとだよ」
サエコのこのセリフのあるシークエンスはやっぱ2度目もよかったです。
その時、好きな男の子(平岡裕太)を見るその表情が、もうなんとも。
せつねー。サエコに感情移入しながら観てました。