國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

日記

昨日、土曜日、生まれて初めて法事というものに参加。
場所は長野県、父親の実家。
子供の頃は夏休み冬休み毎に行っていたが、今回は久々、たぶん十数年振り。
しかし久し振りの長野県、まったく近い。ほんと近い。
関越に乗ってしまうとあっという間。
なんだかほんとあっけない。昔々は群馬を抜けるだけでも大変で、
更に碓氷峠なんざまったく難所って感じだったんだけどなあ。
随分と時間も掛かった。それが今じゃ当たり前に日帰りコース。
しかもその間、ほぼ高速に乗ってるだけ。
で、あれだ、十数年振りの長野県、おれの住んでるこの埼玉の田舎と
風景がほぼいっしょになっていたのでした。
ファッションセンターしまむら」はあるしさあ、「牛角」はあるしさあ、
「紳士服のアオキ」とか、ジャスコとかなんとか、国道沿い、県道沿いは日本国中、
いまどき全部おんなじ。店の名前が少しづつ違うだけ。
殺風景で、そして便利になった。
いとこの子供たちはみな高校生、大学生ぐらいがひと塊いて、
みんな揃って進学コースのようだった。
おれんとことは母親の方も父親の方も、大層なエリートもいない代わりに
ヤンキーもおらず、役者になるとかお笑いになるとかバンドマンとか、
外国行ったきりとか、そういう類も見当たらず、
いずれも小さくまとまっているんだよなあ。
まあ、あんまりおもしろみはない。
基本的にいい子ちゃんばかり。おれも含めて。
誰か少しははみ出してくれるとそれはそれでおもしろいんだが、
そういうことはあんまない。
でもほんと不良いないよな。ふしぎなくらい。
ふつう誰か一人くらいはいるよなあ。きっと。つくづく真面目な家系だ。
不良はともかく、変わった人生、誰か歩んで欲しい。
おれがそういうタイプじゃないしさあ、小物だし、人に期待する次第。
でもあれだなあ。ああいう場に行くと、おれはやっぱり子供っぽいなあ。
42歳にしちゃ振舞いが子供じみてる。てか、大人らしくないっちゅうか。
どこがどうってんじゃないんだけど、なんつうか、軽薄だしさ。
まあ、それほど畏まった場でもなく、身内っきりじゃああるので、
べつに構いやしないとも言えるけど。
なんてえか、両親と行くと、親にくっついてった子供、みたいなんだよな。やっぱ。
この歳ならば、むしろ両親を支える感じを演出したいとこじゃあるんだけどさ。
小さいことじゃあるが、例えば今回はケガがあったとはいえ、
運転は父親だったしなあ。ヘタすりゃ、おれ、未だに運転できなかったもんなあ。
この2年でようやく車を動かせるようになったばかりだし。
でもまあなによりかにより先立つものがない。
未だ部屋住み。それが実態、なので致し方ない。
収入増やしたいね。どうしたらいいもんかね。
帰りも父親の運転で、関越、空いてたのをいいことに飛ばす、飛ばす。グイグイ行く。
そんなにやたら抜かさなくても、ってぐらいに抜かしっきり。
御蔭で帰りは更に早かった。
途中、横川の峠の釜めしを買って(恒例行事)、帰宅。そいつを食う。
釜めし、昔っから食ってるが、両親の言うに味が薄くなったんじゃないかと。
おれもなんかそんな気がする。たぶん時代の趨勢であろう。
濃厚な味と高カロリー、塩分の多さなどは昨今あまり好まれない。
関係ないが、そういや昔、峠の釜めし食うつもりで横川行ったら、
ちょうど定休日で、自販機でカップヌードル買って、しょうがないから
食ったことがあったりしたなあ。いまもまだあるのか知らんが、
お湯の出るカップヌードル用自販機で。
その日は雨が降っていた。うすら寒い日。
まだまだ埼玉から長野県が遠かった頃のこと。