セックス

Rahsaan Patterson

セックスより他に、人間にすることって他になんかあんのか？
セックスは他のことでは代替が利かない。
昨日は都会を歩いてまわったりしてたが、街中をそうしてうろうろしてると
美男美女、ファッショナブルな人ばかりが恋愛やセックスをしているわけではないのにあらためて気づく。
つか単純に、こんなヤツに彼女がいるのに、なんでおれにいないんだって思うよな。やっぱ。
けどそれはきっとセックスに対する態度の違いなんだろうなあ。
よせばいいのに、わかってもいないくせに自分の中に独自のコードを設けてしまい、
それで自縄自縛、おのれの欲望をムダに抑えこんでしまい、自分が本当に望むものに目をつむり、
（しかし頭の中はいつでもいやらしいことでいっぱいで）
そしていい加減時間が経ち、充分手遅れになってから、おのれの過ちに気づいて、
さあいまからなんとかしようと思っても、もう試合は終了、ベンチには紙クズが散らばり、掃除が始まり、
歓声もなく、もちろん試合相手もなく、聞こえるのは掃除機の音だけ。なんかそんな感じだ。
虚しくとも、もう取り戻せないものは取り戻せない。
セックスのない人生なんてなんの意味もない。
映画や小説、音楽そんなもんが好きで、そういうところにはこれはこれはたっぷりと、
いや殆どそればかりだのに、自分が現実のセックスからはひたすらに遠ざけられ、
かつまた、自ら回避して長い年月が過ぎてしまったのにはずっと気づかず、
しかしいつかそのことを知り、ある日愕然とする。