國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

日記Pt.4

イルマーレ」、チョン・ジヒョンの出てるオリジナル、前に観たけど、よかった。
リメイク版、出来はどうなのかしら?
昔は本屋でも図書館でも映画に関する本てのはなんだか神秘的でわくわくするものがあったんだけど、
いまはもうそういう感じが持てない。
おれがまあ、擦れてしまった、ってのもあるとは思うんだけど、
いまはなんてーか、情報が溢れかえっててさー、
幻だった映画だって随分と観れるようになったし、ネットで検索すればキャストやスタッフに関しても
すぐにわかっちゃうし、映画評だって昔は有難味があったけど、べつにそんな大したもんでも
実はそれぞれになかった、ってのもわかってきちゃったし、もちろん優れた人はいるんだけど、
でもそれももういまは特に必要って感じもなくって、それはつまりはいまは情報過多なんで、
それに比べて昔は情報が限られてて映画の論評ってのは割合が大きかったんだよな、
なんつーかなー、なんでもいいんだけど、映画の本、いや、映画そのものでさえ、
いまのおれには、「なんかいっぱいあるなー」ってだけで、「だからどーした」の部分が消えちゃってて。
おれはいまはなにがたのしいんだかなんだかわかんなくなっちゃったよ。
つまんないと思えばなにもかにもがつまんないし。興味が持てない気がするし。
いや、例えば映画なら、観ればおもしろいとは思うんだけど、けど、あらかじめ、どーしても観たい、
一本でも多く観たい、触れたい、知識を得たい、そーいう気持ちがどっか行っちゃった。
観ても観なくてもいーや、どっちでも、みたいな。
観るのもいいけど、観なくても、それほど、というか。
そもそもおれにとって映画や読書ってのはきっと人づき合いの埋め合わせだったんだと思う。
ともだちいないから、映画観てる、みたいな。
それが人づき合いがあるようになると、いままで映画観たり、本読んで過ごして来た時間が
全部虚しく思えて来ちゃって。そんな暇あったら、誰かと遊んでいたかったよ、って。
おれは大体、内向的な性格じゃないし、引っ込み思案で人見知りな部分はあるにしても、
けど、基本はとにかくなんでもいいから外に出て人と関わっていたい、遊びたい、
ずっとずっとそういう気持ちが強いまま、そしてそれが叶わないまま生きて来ざるを得なかったってだけで。
それはもう小学生の頃からずっとそうなんだもん。
そっちがないのに、ただ本だけ読んでたって、そんなの意味ない。そんなの生きてるって言えない。
エロビデオ腐るほど見てたって、セックスしてるとはとても言えない。
そんな感じ。