國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

漫才ブーム

(インタヴューズから転載シリーズ)

 

ビートたけしのファンになったのはオールナイトニッポンにはもちろん違いなくて、けどそれだって1回目は気にして聴いたし、それ以降も聴いてはいたけど、「必ず」じゃなかった。

毎週木曜日深夜に「ビートたけしオールナイトニッポン」を「必ず」聞くようになったのは3ヶ月、4ヶ月経ってからじゃないかと思う。もちろん録音もするようになったし、録音したテープは何回も聞いてた。

 

で、漫才ブームんときはとにかくどれもこれもおもしろい!って思ってたと思う。

ツービートは特に好みのネタ展開で好きだったけど、他のもぜんぜんよかった。

みんなみんな勢いがあって、なんかもう見てるだけでたのしくてしょーがないっていうか。

でも笑いって(「お笑い」って言い方に懐疑的な小林信彦のものを読んでから「お」抜きをつい、意識してしまう)、ほんとそんときだけで、後からだと伝わらないのが困る。

いまならそれなりに特に漫才ブームあたりならば充分にビデオも残ってるし、YouTubeでも見れたりはするけどリアルタイムの「空気」は当時を知ってる人間にはあっても、そーじゃないと純粋にネタの出来不出来みたいな部分で見ちゃうのだろうし。

だからいまだと例えばB&Bのおもしろさはわかんないのかもなーとかとも思う。

おれが見ちゃうと当時の空気が蘇るので、また見方が別になってしまうし。

 

そう、ほんと、当時お子様向けみたくゆわれてたB&Bにしたって、すっげーよかったんだよ。

のりお・よしおだってそう。

ノッテるときののりおのおもしろさったらちょっとなかった。

「ツクツクボーシ!」っていってるだけでどんなにおかしかったことか。

あれはちょっと伝えようがないもんなあ。

いや、当時だってのりお・よしおは評価は低い方だった気がする。

けどおもしろかったんだぜー。

ノッテるってほんとすごい。

空気なんだよねー。笑いって。ほんと。

 

いつだったか小林信彦綾瀬はるか堀北真希の追っかけ。「ICHI」や「鉄板少女アカネ」まで見てる。「たけしの映画は忙しくて見てるヒマがない」らしいのに)(なぜ小林信彦ビートたけしの話をしなくなったかについては以前もついったやらなにやらに書いたけど、はてなには書いたっけ?ついったとかだと流れちゃうし、まーともかく)

ええとええとええと。

小林信彦だ。

小林信彦コント55号について書いてる時に彼らが出てくるだけで会場がどよめいて、そのリアルタイムの空気ばかりは伝えようがないみたいなこと書いてて(正確にはもちろん忘れてる)、ほんとまったくそーだよねー。(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン みたいなことがあって。

(空気、リアルタイムのなにやってもおもしろかった!っていうといつも思い出すのがとんねるず。オールナイトフジのときのとんねるずの爆発的なおもしろさは、ほんとすごかったなー。ほんとなにやってもいちいちもう熱くておもしろいの。べつになんか一言いうだけ、なんか一個やるだけで。あれはなー。(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン )

 

紳助竜介だって、もうおもしろかったんだから!

で、紳竜ってゆーと当時ビートたけしが(ほんとは「たけしさん」て云いたいが、文章としてわずらわしいので省略)「そういう不良なんかもいいけど、ふつうの子を表現するのも大事なんじゃないか」みたいなことゆってたのを思い出すんだよねー。

 

ザ・ぼんちだけはでもあんまりおもしろくなかったなー。

 

あと漫才ブームんとき、B&Bその他の若手のそれまでになかった連中ん中でもうちょっと先輩の人たちも出てたりはしてて、そういう人たちはおもしろいんだけど、THEマンザイみたいな場に出てくるとちょっと違うんだよなーって感じがあった。

ニュー・ウェーブだったんだよね。ほんとに。当時の若手は。

オールドが別にわるいわけじゃない。ただほんと新しかった。

 

マンザイ・ブームの人たちがそれまでと違ったのはまずは服装だろうなぁ。

紳助竜介だとつなぎ着てたり、B&Bはロゴ入りTシャツ、ツービートもセーターみたいの着てたりね。

スーツじゃなかった。

 

それに笑いの人たちの地位向上がマンザイ・ブーム以降、ほんと大きかった。

いまじゃ売れてる女優さんでもなんでも笑いの人とつきあったり、結婚したりなんて、もうあたりまえだもんね。

 

あとそうか、おれが小学校から中学くらいまではまだ落語をTVやラジオでも日常的にやってたんだ。

だからマンザイは文字通り「色物」としての格下扱いがどこかまだあったし。

あとコントとか漫才コンビって映画に出てくると必ずおまわりさん役ってお約束もあったなー。

ツービートだってそうだったんだからねー。

あの世界的映画監督の北野武が映画の端役、それも相棒といっしょに添え物のおまわりさんとかその手のやってたわけだから、ほんとフシギだ。

 

ツービートはやっぱいちばんかも知れないけど、それはオールナイト以降のビートたけしのイメージがおれんなかで被っちゃってるかも知れない。

でもでも、あれだ、すごくよく憶えてる、印象的だったのはなんかの番組の司会をツービートでやってて、そんときに藤田弓子が出ててビートたけしがなにかの拍子に「藤田さんのパンツ、ぐっしょり」ってゆってて、TVで女性が濡れるみたいのゆっていーんだ?!って、あれは下ネタ好き(特に性的なそれ)が好きだったおれにはうれしいおどろきだったなー。

 

あとツービートっていうと南美希子アナといっしょにやってた日曜午前のクイズ番組、あれがよかったよねー。

当時、ビートたけしに突っ込める女子アナなんておおよそいなくて、唯一南美希子だけはちゃんとツッコメてて、感心したものじゃった。

 

なので案外評価されないのりお・よしお、特にのりおに1票を投じたいと思います。

ツクツクボーシ!