國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

大島渚

少年 [DVD]

少年 [DVD]


「少年」を観たさ。随分久し振りだよなあ。
いつだっけさ、これ、この前観たの。
先だっての「わくわく不倫講座」をめっけたビデオ屋にあったんだね。これ。
ずっともう一度観たいと思ってたけど、新宿のTSUTAYAにもなかったし、
あといくつかのビデオ屋にもなかったんだ。
といって、おれはそんな若くもないし、そこまで熱心でもないので、あちこちビデオ屋巡り
してまで捜したり、ましてDVD購入してまで、ってとこまではいかないさ。
なんとなく、観てーなー、って気持ちがいっつもあって、きみにいっつも電話を掛けて眠りたいよ、
なんとなし捜すでなく、いつか観る機会が巡って来ないかなあと思っていたら、
ふとあったというわけだゼ。大体それ以前に、それこそはもう1回どうしても観たい、
でも探し回る気力体力なし、そんなだった「わくわく不倫講座」についに出会えたので、
「少年」はまあ、オマケみたいなもんだ。でもよいオマケ。
これで積年の思いが2点、一気に晴れた。めでたい。
「少年」の感想はまたあとで。予定。未定。

大島渚Pt.2

大島渚といえば「戦メリ」、劇場公開以来、ビデオでもTVでやったときでもきっと観てないなあ。
下高井戸で観た。高校生ぐらいの女子が煩く喋ってるのでむかついたのを憶えておる。
確かそん時おれはがんばって、しずかにせい、じゃないとおまんらのオメコ汁、
売り飛ばしたるっ、なんて云ったのだった。
でも静かになんなかったよ。結局。負けちゃった。
なんか観たくなって来た。最近。たけしさんのことも含め。
戦メリ」が公開された頃、大島渚のオファーを受けたデヴィッド・ボウイ
「オーシマ、ボクハ『絞死刑』ガ好キダネ。」(ガイジンはカタカナで喋るキマリ)といっておった。
(ガイジンの人は大体「絞死刑」が好きなんだよ。キマリ。当時はね。)
そんだけ。オチはない。いつもない。たまにある。
今回それで「少年」観ながら、「波瀾万丈」で小山明子が言っていた、創造社の映画、
資金はぜんぶわたし持ち、そんなことをつい思い出しながら観ていたよ。
これ、全部、小山明子のギャラで賄ってるんだよなあ、って。
といって、べつに他意はない。なんかそんだけ。

大島渚Pt.3

大島渚、DVD、いまは在庫のみ、なんだなぁ。
あとそうじゃなくてもレンタル禁止っぽくて、ビデオの古いやつはあってもDVDは見かけない。
DVD再発して、なおかつレンタル解禁にしてくんないかなあ。
したらTSUTAYAあたりだったら一通り入荷しそうだし、バシバシ観れるのになあ。大島渚
あと大島渚っちゅうと昔の文芸坐の定番、て印象。
しょっちゅう大島渚特集だったような気がする。
でもおれ、ぜんぜん行かなかったんだけどね。
名画座巡りをもっぱらにしていた時代でも、池袋には、文芸坐にはまず行かなかった。
なんでだろ?池袋、ってのがなんかもひとつ引っ掛かってたのかなあ。
埼玉県人、東上線沿線住民としてはなんかきっとヤだったんだよな。しみったれてる感じがして。池袋。
つか、自分ちに通じてる、その日常感、遊びの時間はオシマイ、みたいのが。
映画は現実逃避、それがおれのもっぱらだったからさ。

中島ひろ子

「巨乳ハンター」と「巨乳ハンター2」、両方とも今日観た。
思ったほどしょぼしょぼじゃなかったなあ。
感想はそれぞれ、そんな大したもんじゃないけど、書きたいが、
それよりも「2」の方に出てた中島ひろ子が気になってしまった。
これはいよいよ「櫻の園」観ないとな。もうぜんぜん忘れてるし。昔観たきりで、中身。

(「巨乳ハンター2」より。ルックスはふつうだけど、それが地味かわいい。
観てると段々かわいくなってくる。ちょっと今は好き。)


(これぞ紛うかたなき巨乳ハンターの姿である。中島ひろ子、若かりし頃。)
中島ひろ子、ちょっと斉藤とも子に似てるかも、なんて思ったが、そうでもないか。
(斉藤とも子といって、知ってるのはおれと同世代の人間くらいなもんだろうなあ。
芦屋小雁と結婚して、その後、小雁さんがホラービデオばっかり観てるから、離婚したり。)
(斉藤とも子、昔は同級生で好きなやつとかいて、でもおれはピンと来なかったけど、
今見ると、かわいいなあ。いまは少しかわいければ、もう誰でもかわいい。
参照:コチラ。)

ゴダール

「小さな兵隊」を観た。これまたひさしぶり。
でもって、アンナ・カリーナが自転車に乗るのって、これじゃなかったのね。
おれは大体いまさっき観た映画でさえ、記憶を捏造しがちだ。
けどまあそれはポエティックでよいのでケーオツ。
ほんで「小さな兵隊」は昔、フジテレビで夜中やってた「ミッドナイト・アート・シアター」で
観たんじゃなかったっけかなあ?そん時はビデオにも録ったと思う。そんな気がする。
(今回はちなみにDVDじゃなく、ビデオ。)「ミッドナイト・アート・シアター」といえば
気狂いピエロ」、あれ、ビデオ、上になんかしら番組重ねて潰しちゃったのは失敗だった。
取っときゃよかった。気のせいかも知れんが、今出てるDVDよりもフィルム、
キレイだったんじゃないかなあ。
さて「小さな兵隊」であるが、感想はまたのちほど。
(今日の分だけでも4本もあるじゃん。感想書くの。どうしよう。でも書きたいんだよなあ。
けど書かなかったりな。筆任せ風まかせ♪で。)

小さな兵隊


アンナ・カリーナが自転車に乗るのは「はなればなれに」だったっけか。
「小さな兵隊」、考えてみたら劇場で観たのかなあ。そういえば。
これは地味な感じがするが、それはきっと主演俳優さんが地味なせいなんだろうなあ。
そんでジュネーヴを舞台にしたスパイ映画だったょ。
終始彼の陰鬱なモノローグ、自問自答がつづく。
それもまた地味な、暗いイメージを形作っていると思われる。
あと拷問シーンがあって、それが案外ゴダールにしては重く、ちょっと長い。
拷問としてワイシャツを頭に被せてシャワーで水を掛ける、ってのをやってるんだけど
それとおんなしのを「気狂いピエロ」でもやってて、でもあちらはもっとばかばかしく
気軽に観ていられる。それは「気狂いピエロ」だとジャン・ポール・ベルモンドで、
彼のキャラクターってのも大きく作用しているんだろうなあ。
音楽がピアノのみで、要所要所、場面に合わせて印象的なフレーズを弾いていて
画面が引き立つ。ソニマージュってるし、よい。
時折、音声が消え、サイレンスになる、ゴダールのお得意もいいし。
街中を車で流しての車窓風景をああも魅力的に見せるのは「アワーミュージック」にまで至る。
ゴダール真骨頂。
主人公のスパイ君は果たしてカメラマンなのか、アンナ・カリーナを彼女のアパートで
撮影するんだけど、そこんとこが結構長く、それはどう見たって、ただ単に
アンナ・カリーナが可愛くてたまらないゴダールのエモーション丸出しなのであります。
ああかわいいよアンナちゃん!100%カワイイ!(by 修二)それが故のシークエンス。
大体それ以外にもアンナに会って5秒で恋した主人公が彼女に頭を左右に振って見せてとか頼んで、
彼女はそれに応じるわけだけれども、それってまったくアンナ・カリーナの髪がゆれる様が
可愛らしくてしょうがないゴダールが、その様子をキャメラに収めたいが為でしかないのであります。
ばか。時折、彼氏、ゴダール自身もちょこまか顔を見せるしね。セリフとかないけど。
若いゼ青いゼ。どんだけアンナ・カリーナに惚れてるっつんだか。
アンナ・カリーナにやたらと髪をかきあげさせたり、髪の毛を梳くような様をさせたりと
髪フェチ(A・カリーナ限定)か、あんたは、ってぐらいの勢い。
あとA・カリーナ、気のせいか、この映画だとまだだいぶんフランス語が拙いように思える。
どっちみち舌足らずな感じではあるにしても、なんかもっとぎこちないような気がする。
フランス語に疎いおれが云うのもなんだが、なんかそんな感じ。
それがまたたまんなかったんだろうけどね。ジャン=リュックには。
主人公の彼氏とアンナの両人、これがまたやたらとタバコを喫う。喫いまくる。
すごいシャレた感じなんだわ。軽い感じで。しかも。
主人公のモノローグは当時のゴダールの素直な心情吐露、政治に対する態度、
心情そのままのようで、まあいつもそうだが、ここじゃもっとなんつうか、わかりやすく、
あんまり入り組んではおらず、そういったまじめなテーマの一方、
アンナ・カリーナのことになるとばかみたいになってしまう、そこらへんの同居具合、
アンバランス。そういう傾向はこの後もずっとつづきはするわけだけれども、
ここではまだストーリーの重苦しさの中にアンナへの思いの明るさが点在している感じ。
その明暗の思いがここではまだ融合していない感じがする。そこらへんがやっぱどこか地味で、
他の作品に比べると少し奥へ引っ込んだような印象がある原因なのかしら。
(主演俳優が地味、ってのが一番の要因だとは思うが。)
とかなんとかつまんないこと言っちゃったが、やっぱ好きだわ。これも。
あちこちいいし、すべてのショットに愛しさをやがて感じてしまう。