國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

河原崎長一郎

もちろんおれだってマイホームなパパといった役どころで馴染んだのが最初だが、学生時代以降映画をよく観るようになってからのイメージもあり、東陽一の「やさしいにっぽん人」での謝花(しゃばな)治(通称「シャカ」)のようないまどきのちょっと掴み所のない若者といったそれ。かつてのラジカルな主役が無難な脇役になる。ヒーローが時代劇の悪役になったり。役者さんも食うに大変。だと思う。邪推。