國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

成瀬巳喜男

「女の座」を観る。
成瀬巳喜男って全く人間不信だとしか思えない。
映画の出来とは別に、なんとも後味が悪い。いつもそうだ。
そしてそれがクセになる。また観たくなるんだよ。ナルセ。
イヤーな人間関係を描くのが上手い、というか、なにもそこまでってくらい。いつも。
これも脚本自体はきっとコメディーを意識したものなのかも知れない。
しかし喜劇として観るにはゾッしない"いやな感じ"がある。
エンディングも無理して明るい(?)結末をつけるばかり。
雨の音や風の音が素晴らしかったり、演出は完璧、映画としては観るだにその豊饒さに打たれる。
そして豪華女優陣、まことにまことに、その中でおれとしては
司葉子のあまりの美しさに打たれるばかりだった。
なんだかとてつもなくキレイ。
また、ちょろっと出て来る団令子がいいなぁ、やっぱし。
あのおきゃんな感じはイイネ。いつ見ても。
62年の作品で、その時代を反映した内容ってのにもとても興味を惹かれた。
でも面倒なのでそのへんの感想は省略。