國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

成瀬巳喜男

「妻として女として」を観る。
ここしばらく観た成瀬作品と比べると、相変らずけして気持ちのいい話でもないし、
男がだらしないってのもいつも通りだったが、観てて気持ちがザラつくような感じがこれにはなく、
なんだか人物が全体に単純で裏表がないような気がしたのだった。
毎度の微妙な人間関係のイヤさ加減、てのが感じられなかった。
みんな思ったことをハッキリ口にするせいかも知れない。
お互い相手に嫌悪感を持ってはいても、表向きは穏やかで、
しかしその分その場にはいやあな空気が流れる、みたいのが今回はなかった。
この先もきっと暗いなあ、ってな厭世具合もあまり感じられないのだった。

  • 星由里子が髪をアップにして、その天辺から弁髪みたいな、編んだ髪を一本垂らす、
    ということをしていた。
  • 高峰秀子がジェットコースターに乗ってた。これは結構チェックポイントだ。忘れてた。