國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

火消し屋小町

子猫をお願い』でも泣いてたが、おれはこれ見ても泣いてる。
いろいろなことを今観てる映画やドラマから自分の中で思いを膨らませては泣いている。
人生にこんな風に意義があったなら、おれがもしあの子だったなら、とかさ。
ともかくそんな具合にして、積極的に泣くようにしている。いつも大体。
おれにとって例えば「火消し屋小町」の中の世界には理想の共和国があるんだ。
だからドラマというものが、特にこの手の人情&友情ドラマが好き。
こういうドラマの中にはほんとうにいやったらしい人間は出て来ないし、
こころが抉り取られるような救いのない陰惨なことは起こらない。
仲間や、敵だとばかり思っていた相手との間でさえ、誤解はやがて解け、
仲良くなれるし、誰にしもちゃんと役割があり、
他人の為になにかしら役に立つことが出来、自分の苦難も分かち合う相手に巡り会える。
思いは叶うし、人生には意味がある。
そういうウソっぱちが好きだよ。おれは。
ウソっぱちしか信じない。
現実なんてただ受け止めようもないもんでしかないんだからさ。
この世界の残酷さを思うと胸が圧し潰されそうなので、そのことはなるたけ忘れるように努める。
思い致さないで済ます(フリをする)。