國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

マッハ!!!!!!!!

たまにはやらしい感想でも書くか。
女の子が可愛かった。ジョージって相棒(?)もオヤジ顔でよかった。ムエタイは凄かった。
でも。映画としてはすべてがクレヴァーに過ぎて、洗練され過ぎてて、計算通りに過ぎて、
印象としては結果、平均点になってしまう。
わるい映画じゃない。欠点はないし、見所もある。
でもおれはもっと興奮したかったんだよ!
感動したかったんだよ!
期待してたんだよ!もっとさ。
(普段はふつうによければそれでいいじゃない、そんな文句言わなくても、と文句思いついたとしても黙る方針なんだが、
たまにはそういうのも書いてみたい。ガス抜き。)
でだ。プロデュースされ過ぎ。
実になにもかも上手に出来てて、お約束をきちんと踏襲してくれてて、普通、おれはそういう場合、
感動するんだけど、なんかこれはダメだった。滑らかに過ぎた。簡単に言うとMTV風味ってやつだ。
「なにか」が決定的に欠けている。そして全然はみ出さない。計算が行き届いている。行き届き過ぎ。
この映画作った人、頭良すぎる。それがアダになってしまっている。
また「おもしろい」と「おもしろくない」の境界について考えてしまった。
やっぱりわからない。その違い。
割と最後の方、いよいよ敵陣深く、ボスのところに乗り込むってんで主人公のティンが敵の残したバイクに跨って
さあ行こうとするがエンジンが中々掛からない。するとそれまでは成り行き上仕方なくといった
風情だったジョージが「おれにもエンジン掛けるぐらいのことはさせてくれ」と申し出る。
ふつうはこういうのにおれは大変弱い。待ってましたとばかりに泣いてしまう。泣くのがうれしい。
でもその場面でおれは冷静だった。
「上手い!」と思った。「お約束ってやつの醍醐味をわかってる!」とは思った。けど。
どうしてだろう?
女の子はかわいい。ジョージがいい。ティンだっていい顔してるし、アクションは申し分ない。つうかすげえ。
キャメラワークは間違いない。編集も完璧。
音楽もカッコイイ。テクノ。
全編セピア色っぽい色味になっている。それも効果を出している。
それぞれのキャラも立っている。それと相俟ってファッションも決まっている。
ボスが喉頭に障害があり、マイクを使って話す、ってのもよく出来ている。
でも例えばそれが上手すぎるんだ。キャラ設定として。
他にもアクションを違う角度から撮ったカメラで繰り返す、ってのも、よくあるっていうか、
多少そのせいで冗長でも、やり過ぎでも、サービスだし、ふつうはわるかないんだけど、
いや、この映画でのそれだってけしてわるくはない。でもなんか、この映画だと冷静に
「こういう風に肝心のアクションは繰り返しよく見せます。」とまるで優等生の答案みたいなんだよなあ。
洗練されてて、計算づくで、脚本もキャメラワークも完璧、出演者もそれぞれが魅力的で感動する映画はもちろんある。
よい映画の条件としてヌケやアナがある必要もない。
洗練されててわるいはずがない。
なのに例えばこの「マッハ!!!!!!!!」だと決定的に「なにか」が足りない。
その「なにか」ってのがなんなのか、それがおれの最近の課題。