國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

吉田喜重

「エロス+虐殺」の感想とかもちょっと書きたい。「内海の輪」も。「球形の荒野」も。
けどその日ねむかったり、翌日の事が気になったり、他に考えてることがあったり、
そもそも上手くことばが出てこなかったり、その他、事情次第でつい書き損ないがち。
そうしてるうちに日も過ぎて、結局それきり。よくあるパターンだ。
1本観る度、なんかちょっと考えたり、思いついたりして、しかもその間に次のやつも観て、
これまたなんか思いついたりして、しかしそうそう書いてる時間も気力も体力もなし、
大体そんなもん書く以前に生活があって、けど正にその生活があるからこそ、いわば
ストレス解消として、こうして感想書いてたりするって面も又あり。現実逃避というかな。
「エロス+虐殺」、当時どれくらい客が入ったんだろう。
画面が露出過多気味(?)で白味が強い感じになっているのだった。
やっぱ原田大二郎が出て来ると、ちょっとヘンな感じがしてしまう。最近TVで見ないなあ。
大仰で生硬で、如何にも、な場面も多いのでちょっと笑っちゃうが、でもなんか憎めない。
つうか好き。おれ、なんやかんや言って(大して別になにも言ってないが)、吉田喜重、好きかも。
カルト映画として、おれは観てるのかとも思ったけど、そうでもないかな。
なんていうか、ああいうのもアリなんだよな。おれとしては。
ただ生真面目に過ぎるけど、ユーモアないし、それでいいじゃない、って感じか。
映画でも、まあなんでもそうなんだけど、☆が幾つ、ってなことはなんかもうどうでもいいや。
例えば「球形の荒野」なんて☆の数でいったら最低以下なんだけどさ、そのぎこちない、
下手っぴ、どころか、そもそもが元より映画を撮る才に全く欠けてる、そのことすら
見所であって、しかも75年の映画で、松本清張で、映画化された時点がリアルタイムで、
島田陽子が出てる、70年代ぽい雰囲気、匂いがする、って事自体がおれにとっては意味が
あるので、評価でいったらひどい映画なんだけど、観て時間を損したとかは思わないんだよな。
寧ろ観てよかったって思うくらい。それにどうひどいか、才がないかについても説明したく
なるって点が又してもおれにはうれしいくらい。
で、説明なんだが、いまは面倒だから、後回し。
けど、それ以上にでも、なぜその画面が観てて惹きつけられるか、魅力的であるのか、
を説明するのは更に困難だ。「内海の輪」が如何によいかを中々に語れない。「エロス+虐殺」の
優れてメロドラマな映画としての魅力、画面のオーラについてはどう言っていいのかすぐには
ことばが出て来ない。
吉田喜重、近いうちDVDで一通り出るらしいけど、家で「エロス+虐殺」観るのはつらいなあ。
絶対寝ちゃうよ。それに途中で切って、他のことはじめちゃう。コーヒー飲んじゃったり。
こういう映画こそ映画館で観るに限るね。とにかく途中ウトウトするにしても、最後まで
通して観れる、観ざるを得ないから。椅子に座れば勝手に始まっちゃうから。オン・オフの
コントロール権が手許にはないから。
みんなそうだと思うけど、ビデオとかだと途中何度も
区切って時には数日に渡って1本の映画を観る、なんてことがあるけど、あれ、やっぱ気持ち
悪いもんなあ。とにかく通して一回全部観たい、そうしないとスッキリしない、ってのはある。