國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

ボサ・ノヴァ

図書館に行ったら"BOSSA NOVA"という新刊があり、読んでしまう。
ココ〔 BAR BOSSA 〕の人が執筆している小さな本。まあ、ボサ・ノヴァ入門ですな。
これを読んだのでボサノヴァが聞きたくもなったが、懐具合もあれば、ジョアン・ジルベルト
初期のものなどはアマゾンじゃ買えない。それに知らんことが多すぎるしなあ。
今からこっち方面なんとかしようと思ったら大変。でもまあこの際だから代表的なもん、2、3
買うのも一興か。ボサノヴァといって最近はセルソ・フォンセカの"Natural"はよく聞いてる
くらいか。いまは一応ジョアン・ジルベルトの「三月の水」とか流してはいるけれど。
そうじゃなくても最近買ったCDもまだまだあるし、R.Kellyの「Happy People」聞くだけでも
忙しい。「ブルーノートの真実」読んだのでジャズ、ブルーノートの代表的なもん何枚かも
手には入れたのでそいつだってなんとか聞き込みたいけど、中々時間が取れない。
身に沁みるように聞くのは更にむずかしい。単に耳通すだけならすぐにでも出来るけどさあ、
それじゃあなあ。とはいえ歌詞どころか、曲名すらいまはもう覚束ないのが実際。
そうして新しく興味が出たものばかりじゃなく、従来から持っているものもあらためてちゃんと
聞きたいってのもあるし、全くに追いつかない。本や映画と違って音楽は一回とにかく聞けば
最低の用が済むってもんでもないしなぁ。CD何枚持ってても結局聞くのはいつも聞いてるやつを
やっぱり聞くだけだったり。ノリがないのに聞いてもしょうがないし。でもその一方、
あれもこれも押えたい、なんもかんも自分のものにしてしまいたい、という情報貧乏性も拭い難く。
クラシックだって図書館で何枚も借りたりはしたけど、殆ど聞いてない。マイルス・デイヴィス一人
採ったって、それなりに聞いてるのは数枚程度、おれの好きなのは"Someday my prince will come"と
"In a silent way"、"Someday〜"はムーディーなもん聞きたくなったら聞くし、
「サイレント・ウェイ」は一番好きだし、一番回数聞いてると思う。世評高い「オン・ザ・コーナー」は
過大評価としか思えないおれには、あれよりも全くに不思議度の高い、出所不明行先不明の
アルバムだし、飽きない。それで更に「ゴスペル・サウンド」という本も借りたのでそちらも
なんとかしたくも思うが、マヘリア・ジャクソン一枚持ってるキリで、それもロクに聞いてない、
後はサム・クックのベストに彼のゴスペル時代の曲がいくつか入ってるので聞いたくらいで、
その他、大して名前も知らなきゃ、まして聞いたことないのばかりの世界だ。その他あらゆる
ジャンルを網羅したいが、そんななぁ所詮無理之介。ぼちぼち行くゎ。で、思うがジャズでも
ブルースでもクラシックでも、とりあえずのジャンルはそうであっても、それぞれのジャンルの
ミュージシャンがやってること、やりたいこと、ってのは実は(例えば)クラシックの形態で
ありながら、今ならロックだったり、ワールド・ミュージックだったり、映画音楽だったり、
ムード・ミュージックだったり、ポップスだったり、ジャズだったり、産業ロックだったり、
アンビエントだったり、それはジャズでもブルースでもおんなじで、ジャズといってある種の形態、
使用楽器、編成、等々はあっても、そこにあるのは実は多様なもので、それをたまたまジャズなら
ジャズという形式でやってる、みたいなこともあるのかしら?なんてことも思う。まるで
ソウル・ミュージックみたいなジャズとかまるきりポップスなジャズとかロックみたいなジャズ、
なんて、ああ、あれはそういっても差し支えないか、ってもんはある筈。
ジャズロックとかそんな事言ってるわけじゃなくて、例えばおれにはジョン・コルトレーン
「ジャイアント・ステップス」なんて、ギターの速弾き、ロックのライヴのギターソロとかと
いっしょに聞こえる。以前も書いたが、コルトレーンに必要だったのはきっとアンプで、
そうすればフリー・ジャズだなんて、単に一生懸命がんばってるだけとしか思えないもんに
かかずらってることもなく、もっと楽しく下世話に展開出来てよかったんじゃないかとか
考えてもみたりする。余談。)