國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

日記Pt.2

昨日は「インファナル・アフェア/無間序曲」を観て帰って来て、少し夜更かしをしてから寝て
(「ベストヒットUSA」をある程度見たし、「マンハッタンラブストーリー」の最終話の録画が
ちゃんと出来てるのを確認も出来た)、今朝は7時半過ぎに一旦目を覚ますももう少し寝ようと思い、
起きたら12時半だった。おれにしては随分寝た、寝過ごしたような感じだ。随分疲れてるんだなあ、
おれ、やっぱり。それはそうと、今日したことといえば「影の車」松本清張原作、野村芳太郎監督)を観た事ぐらいだ。
映画はおもしろかった。よかった。1970年の映画で、自由が丘の駅とそこから東急バスに乗った先の
郊外の団地とまわりが畑に囲まれた一軒家が出て来るのだった。そういったことも興味深かった。
加藤剛岩下志麻のラヴシーン、乳首こそ出ては来ないが結構濃厚なやつ、が何度も出て来て、エロい。
そこには6歳の男の子が出て来るのだが、おれは当時、それくらいの年だったので、
保谷に住んでいた頃だ、なんか感慨深かった。
あとは先だって浦山桐郎監督の「私が棄てた女」を20年ぶりくらいに観て、20年前、これを観た時は
なんの予備知識もなく、一体いつ頃の映画なのか、そういったこともわからず観て、そん時はまあ
それなりにおもしろいと思ったような漠然とした記憶があるんだけれども、今回こうして久々の久々に
観返してみて、なんともまあヒッドイ映画だったなあ。いや、おれとしては69年の映画って事自体で
あれこれおもしろかったりはするんだけど、それとは別に遠藤周作の原作の読んだことないけど、
その通俗極まりないであろう感じとか、それを脚本にした山内久、監督の浦山桐郎のそれに乗じた
通俗さったら、ほんとないのだった。そしてこの当時、脱ぐ女優というのは無名で、
その後の活躍を聞くこともないというおれのテーゼがこれでまた証明されたのだった。
なんというかな、浦山桐郎の演出って(山内久の脚本も同じだとは思うが)、ぜんぜんリアリティーが
ないのな。なんつうか昔風の言い方で云うと「マンガみたい」というやつ、当然わるい意味合い。
横浜の港町のギャングが「麻薬」の取引してて、それをヒーローがやっつける、みたいなそれこそは
往時の日活映画、それもアクションの方、とかならそれでいい、それで充分というに相応しいような
それであって、それでいてきっと監督としてはリアリズムに徹して厳しく現実を見つめるといった
つもりでやってんじゃないかと勘繰られるようなもので、要は根が通俗。志が本人の意に反して
限りなく低い。現実、日活でもアクションや青春モノを撮っていた斉藤武市や西村昭五郎なんかの方が
全くに上等ってもんだ。つまりはマジメな顔をしてるからマジメじゃないってことだ。