國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

映画鑑賞

最近フランス映画なんかひさしぶりに観たりしてるが、いざ観るとやっぱおもしろいなあ。
ヨーロッパもんもわるくないじゃん。あたりまえか。忘れてたよ。こういう感じ。
昔はそもそもアジア映画ってジャンルはなかったなあ。そういえば。
話が簡単だった。映画に関しては、その点。
邦画、ハリウッド、それにヨーロッパ(主にフランスを指す)、それでオシマイ。
ビデオもBS、CSもないし、公開される映画も決まってて、同じ監督ならば掛かるのは
毎度おんなじ作品ばっかりだった。
その代わり、名のみ聞くばかりで観られない作品がいっぱいいっぱいあった。
しかし『修道女』はよかったなあ。見応えがあった。また観たいくらい。
(始めの方は地味、とかなんとか書いてるけど、実は始めの方から気に入ってて
ずっとそのまま地味なままでもよかったくらい。
なんかねぇ、味があって。「地味」とひと口にいうのもなんだが。
実際、そうでもない気もするし。記憶には疎いんだ。おれは。
ともかくも、ああいうのってなんだろうなあ。「なんか」惹きつけられる。
いっつも説明できない。その「なんか」が。)
でもあの手の映画は構えてしまいがちなので、そう気軽に2度3度観るわけにはいかない。
(いざ観始めちゃうとそんなでもないんだけどね。)
昔みたいに名画座行って3本立て、その中にこの前観た映画が混じってるんで、また観ちゃった
みたいなわけには行かないし、そうじゃなくとも映画館で座席にいると勝手に始まるのと違い、
自分の部屋で、ビデオレンタルして来て、さあ観ようとなると、これはどうしたって
躊躇わざるを得ない。観る前に1回考える。いつ観ようか、どの順番で観ようか。
観始めるタイミングをどうしたって計らざるを得ない。そうなると繰返し観るのが
実際結構困難になる。手元にあるのにね。でもだからこそ。
『とらばいゆ』は短い間にそれでも4回観たけど、殆ど例外的な出来事。
(以前『オリーブの林をぬけて [DVD]』をビデオで数日の間に3度ほど
観たりしたことがあったけど、あれももう何年も前だ。例外的ってこと。
つまりは、ほんとたま〜に。繰返し観るのって。)
学生の頃、『去年マリエンバートで [DVD]』が気に入って、特に
デルフィーヌ・セイリグが観たいってだけで6回ぐらい観に行ったりしたことがあったけど、
ああいうマネは今は気楽にできない。他の映画だって、当時は2度3度観ているものは多い。
繰返し観るのに映画館はやっぱ気楽だ。映画館で観る効用のひとつ。
だっていま、『地獄に堕ちた勇者ども [DVD]』とか3度4度繰返し観れないもん。
DVDとかじゃ。つらいよ。それは。苦行。そもそも構えちゃうもん。観る前にどうしたって。
でも映画館だとふつうに何度も観てたりするんだよな。あとあれだ。DVDとかだと
途中で止められるから、最後まで通して観る機会を逸し易い。途中で余計なことしがちだし。
ネットとか。なんか食ったり飲んだり。そうしてコマ切れで観ちゃうし、
最後まで観ないままとか、スッキリとせずにレンタルしたもの返却したり。
ま、しょんべん、いつでも行けるのはやっぱいいけどね。おれみたいに近い人間には尚更。