國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

つげ義春

中古ならプレミア価格付きだがアマゾンで買えちゃうみたいだ。現時点。『つげ義春日記』。
でもどうしてこれ、復刊しないのだろう。当人の意思なのかしら?
もしそうじゃないのならば出てもよさそうなものなのになあ。
これは当時まったくのひとりぼっちのおれにとっては救いの本だった。
精神の不調が極まった時でも、これとヴォネガットの『ジェイルバード (ハヤカワ文庫 SF (630))』を読むと、
べつに生きててもいいんだなと思え、息を継ぐことができるのだった。
そして『つげ義春日記』は彼の人が鬱病時に書かれたものだが、そんなに暗いものでもない。
なんだかとりあえず生きていこうかという調子がどこかに感じられるのだった。
ユーモアあるしね。
でもなんでこんな本のことを思い出したかというと、桜玉吉の『御緩漫玉日記 (1) (Beam comix)』の
直接の祖は吾妻ひでお、そして吾妻ひでおが踏まえているのはつげ義春、つまりはそういう並び。
ただ桜玉吉吾妻ひでおの2人が近しさを感じるに比してつげ義春はまた独特じゃあるが。