國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

モータウン

永遠のモータウン [DVD]』を先日観たが、『Mpg / That's the Way Love Is』、これを聞くべし。
モータウンの話はいまさら、この機会、マーヴィン・ゲイの『M.P.G.』(上記だと2on1で更に『That's the way love is』が付く。なんておトクな!)に注意を促したい。性急で感情が抑え切れない、そんな印象のアルバム。
そういってしまうとヒキはわるいだろうが、切なさに胸掻き毟られるような感じがたまんない。
第一みんな、あたりまえだが『What's Going on』の話しかしないじゃないか。
おれはいつもいつも言ってる事だが、マーヴィン・ゲイの業績に関してタミー・テレルとのデュエット、そして『What's〜』以前の彼について触れない、等閑視している、気づかない、そういった類の言説が許せない。大して彼について知らない、R&B、入門したばかり、そんな風な人はよい、しかしそれなりに音楽にも詳しいような人間が『I Want You』のことばっかり言い立てるのが、ほんと、いやなのだ。
マジ、マーヴィン・ゲイ好きなの?ちゃんと聞いてるの?って、そう思うよ。これはどうしたって。
で、この『M.P.G.』と次の『That's the way love is』の2枚のアルバムは来る『What's going on』との繋がりを考える上で重要なのだが、その話をする準備がいまはない。
さて映画の方に戻るが、今回あらためてスモーキー・ロビンソンの歌詞の素晴らしさに打たれた。
歌詞の中に篭められたその感情の起伏、心の震え、それを表現する豊富なボキャブラリー、といって、けしてむずかしい言い回しなんかするわけもなく、ことばの選び方、並べ方、歌詞の展開の仕方、そこから湧き上がって来る感情の大きさ。ちょっと例がない、なんか映画観ながら、そんな感慨を抱いたのだった。
(どうしたんだろう、ちょっとおセンチだったのかな。いつにもまして。)
あと『Ray』なんて映画があった連想でマーヴィン・ゲイの伝記映画とか考えてみたが、ほんとになったらヤな気もするが、単なる連想として、さて彼の役、誰がやるかと思い、モス・デフじゃどうかと思ったりもした。ただ問題はモス・デフ、得意は鼻歌、それしか唄えないってことだよな。そのへんの口パクとかはどうするかまでは考えが及ばなかったが。ただ、マーヴィン・ゲイ、最期が最期だけにそのまま映画にしたら、やりきれない気がするばかりなので、流れとしては彼の臨終は映画半ばに持ってきてしまい、それもさらっと、なにが起きたか最低わかる程度に留めておいて、その後はエピソードはある程度の過去へと戻り、いろいろあって、そしてラストはタミー・テレルとのデュエットで"Ain't no mountain high enough"で締め括るのだ。

United / You're All I Need

United / You're All I Need


'Cause baby,
There ain't no mountain high enough
Ain't no valley low enough
Ain't no river wide enough
To keep me from getting to you
ぼくらを隔てるものなんかまったくなにもない
あるはずがないじゃないか
いまこうしてきみがぼくの目の前にいること
ぼくの歌にこうしてこたえてくれること
それ以上に強いことなんかこの世界にはない
ぼくたちの歌は止むことがなく
いつまでもいつまでもつづいてゆくだろう
この世界で一体なにが起きているのか
ぼくはよく知っている
ひとりぼっちでいることがどんなにおそろしいか
ぼくはよく知っている
だからこそぼくにはきみが必要なんだ
I love you の次には I want you
その次にはもちろん I need you
ぼくにはきみが必要なんだ
ぼくらを隔てるものなんかまったくなにもない
あるはずがないじゃないか
いまこうしてきみがぼくの目の前にいること
ぼくの歌にこうしてこたえてくれること
それ以上に強いことなんかこの世界にはない
ぼくたちの歌は止むことがなく
けして止むことなく
いつまでもいつまでもつづいてゆく