國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

死んじゃう

この前、70年代初頭の歌謡曲はすぐに死ぬとか言い出すとか書いたが、これはその時期に限らず、
歌謡曲のある時期までの、というか、歌謡曲にはつきもののフレーズなのだろう。
それがいつ頃からで、終息したのは一体いつなのか?についてはいずれ考察したい。
というか、「青春歌年鑑」でその手の「死んじゃう」フレーズ拾い集めようか、集めたい、
って程度のことなんだけどさ。
1976年の大ヒット曲、都はるみの「北の宿から」、そこにもまだ
「あなた死んでもいいですか」
ってなフレーズが出て来る(作詞は阿久悠)。
ただ死ぬのどうのってのは演歌に限ったもんじゃないのにこの際注意。
ユーミンだって
「どんな運命が/愛を遠ざけたの/輝きはもどらない/わたしが今死んでも」
(「翳りゆく部屋」)
なんて歌ってるぐらいなんだから。
「敵」というのは実は「死」のことだ。「敵」というのはいつか自分を襲い来る
怖ろしいものとして常に意識されるが、、そのなによりの正体。
(病気や事件、事故などのことでももちろんあるが、この場合、「死」に代表させる)
「敵」はつまり、人間及び、その組織されたる集団のことではない。
しかし人はいつだって死を克服したく思い、その実体を求め、退治すべく活動し、
そして更に死を免れるべく、生贄を求める。
戦争は人間が不死を願う限り、この世から消え去ることはない。