國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

骨折

先日、再骨折の診断の翌日、病院へ行ったところ、顔を見るなり、
そこのオーナーと思しき男に怒鳴られた。
ちょいとおれの方から支払いに関しての手続きの変更を申し入れたのだ。
どうもそれがカンに触ったらしい。
でもいきなり怒鳴らなくても。
で。
おれはそれに対して憤るよりも、凹んでしまい、萎えてしまったのでした。
そんなわけで、ここ2、3日、もうひとつなんか書いたりする気も失せていた。
こういう時、つくづく、おれがそもそも、気が弱く、
引っ込み思案なのをあらためて思い出すなあ。
おれも時を得ないと、場所を得ないと、役割を得ないと、まるきり気が
ちっちゃくなっちゃうんだよなあ。闘える人になりたいなあ。
無理だなあ。立場の強い人に弱いんだよなあ。権威に弱くてなあ。自信なくてなあ。
今回の件に関しては、おれがいわば客だし(「患者☆さま」と呼んでネ。)、
単に書類上の手続きが前後しただけであって、幾ら向こうさんが
煩雑さを感じるとしても、おれがわるいわけじゃあなく、まったく理不尽なんだが、
でもそんな理屈は関係なく、ただただ凹む。気が弱るばかり。ああ。
御蔭で怒鳴られたその日、せっかくの「電車男」も、もうひとつ楽しみ切れなかったよ。
感動するには現実の思いが甦ってしまい、ついと凹む気持ちには敵わなかった。
もっとフィクションの世界に溺れたいね。
しかし、こうして萎えるようなことがあっても、昔(20年ぐらい前とか)に比べたら、
それでもおれはひどい気持ちにはならずには済んで、
まるきり凹みっぱなしでもなく、それは今なら、多少の人とのつきあいがあったり、
女性とのつきあいの経験が自信にもなっており、更に職場などへ行っても、
おれははぐれもん扱いではなく、それなりにまともな人として認識されている、
等々の支えがあるからだよなあ。これが人付き合いもない、ともだちもいない、
職場行ってもビクついてるだけ、セックスもしたことなけりゃ、
デートだなんて夢の夢、喫茶店、いやさ、定食屋にいたってドキドキして落ち着かない、
そんな時代とはもう違うんですもの。おれもだいぶん成長したね。
大物になったゼ。それはないがな。ま、少なくも昔よりはマシ。
拠り所がそれでもあるってことだ。