國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

歌舞伎町

最近殆ど行くこともない新宿、せっかくだから歌舞伎町の方へも足を運ぶ。
なんか今日は人が閑散としてるのもあったけれど、それとはべつに歌舞伎町って、
こうしてみるとなんか随分とスッキリと明るくなっちゃったなあ、って思った。
(注意:明るいのがいけない、とか、そういう通俗な思いはおれにはない。)
十年以上前から比べてもね。
しかしそれはこの歌舞伎町に限らず、日本全国、きっとそう。地方の街道沿いの街とかでもね。
洗練された、ってことなんだと思う。
もういまはどんな田舎行っても、みんなきれいで型の新しい車に乗っているし、
その車のデザインだって30年前、40年前に比べたならば、塗装の具合ひとつとったって、
すっごい洗練されているし、フォルム等はいうに及ばず、更に町々の看板のロゴ、
イラストなども基本的に洒落ている。人々のヘアスタイル、メイク、着ている物しかり。
日本はほんとに豊かになった。でもいざこうなってみると、案外味気ないもんだよなあ。
スッキリしすぎていて、引っ掛かりがない。
贅沢なこと云ってるよなあ。豊かなのに、なお文句。豊かがいけないと、
つい云いたくなってしまうのは果たしてノスタルジアか。
ま、そうだな。貧乏にいいことなんてひとつもありゃしない。