國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

けものみち

いやあもういいなあ。なんとも充実してる。見ててほんとたのしい。
いちいちの場面が決まってて、すっごい満足する。
もう大見得切りっぱなしなんだけどさ、誰も彼もが、それがいいの。ほんとにもう。
とにかく画がキレイ。見応えが充分にある。
画面見てるだけで満足する。気持ちいい。ハイヴィジョンも伊達じゃない。
美術、衣装、撮影、どれもに手抜きがない。TVドラマとしたら、相当なハイレベルなんじゃないか。
今日のだったなら田丸麻紀が棒みたいだったのは御愛嬌として、キャストがもう、全員いい。
仲村トオル、サイコー!大好き!もうカッコイイなあ。
しかも「電車男」とか「時効警察」での豊原功補みたいなおもしろキャラみたいでもあって、
それがまたいいの。
いっつもトレンチコート着てる、一人で勝手に聞き込みしてまわってる刑事。
仲村トオルに限らず、みんな過剰で、シリアスを越したおかしさがあって、
でもわざとらしさはなく、ちゃんと決まってもいて、いいんだよなあ。
おれ、「けものみち」、褒めすぎだよなあ。でもいいじゃん。
マジ、いいゼ。けものみち。
エロシーンもちゃんとやってて、いいしなあ。
あれですよ、TVドラマでマンコいじってる見立て、ってちょっとやんないんじゃないか。ふつう。
今日だと着物着て、膝立ちの米倉涼子を平幹二郎が裾から手を入れてなんかしてて、
米倉の顔が歪むわけだよ。いやらしく。
(その場面に於ける米倉涼子の着物の素晴らしいこと、平幹二郎の虎模様の
ガウンの派手やかで、過剰なこと、そして布団がこれまた光沢のある紫色!)
東ちずるも、今日はすげえよかったし。
野川由美子もよかったしなあ。
全員いいです。今日とかでも。出演者。田丸麻紀を除く。ま、しょうがない。
完璧じゃあおもしろくもない。多少の難は、むしろ色づけ。
佐藤浩一、カッコイイよねえ。
中島みゆきの主題歌も、最後、米倉のショットと共に決まるしなー。いいなー。
大学の食堂といったところの場面が今日、あったんだけど、そこは当然殺風景な筈、
テーブルが並んでて、天井には蛍光灯がいっぱい、みたいな通常のつくり、
なのに、そこの画面でさえ、きれいに決まっていたのはちょっとすごいと思う。
あれはライティングの妙もあろうし、ポストプロダクションの成果もあるのやも知れない。
いずれにしろ、そういった装飾を特に施したわけでもない場面であっても、
ちゃんと画面の色味、光の加減などが他の場面から浮かないだけの強さを持っている。
撮影は相当ちゃんとやってるよなあ。
すげーなー、TVでもここまで出来るんだよな、いまは。
とにかく米倉涼子のゴージャスな衣装、その着こなしを見てるだけでもぜんぜん満足。
あのゴージャス感はちょっとすごいよな。光り輝いてるわ。
セリフもいいんだよねー。
カネを借りた東ちずるが米倉涼子に「ちょっと聞こえなかったみたい。」と暗に催促されて、
「恩に着ます。」と云ったのなんかよかったなー。
ある意味本日の白眉。
「恩に着ます。」って言い回しの選択がまったくの正解。
もちろんそれに応じる演出も冴えてる。
それぞれの表情や視線の位置、座ってたり、立ってたり。
その他でもセリフがいいよ。ほんと。憶えちゃいないけど。いちいち。