國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

おはなし

映画とかドラマってのは雑多な要素で出来てるから、尚更にひとまとめにして
「最近のナントカはだめ」みたいな言い方をしてしまうと、ズレてしまいやすいのかも知れない。
これが音楽、それもジャンルを限定すると「最近のナントカはだめ」ってのが当て嵌まる、
そう云ってもおかしくない場合もある。
いまさらロックなんかやってんじゃねーよ、とかさ。
でも映画やドラマ、要はお話、物語ってのは、そうひとまとめにだめだのなんだの云うのは
ちょっと無理があるんじゃないか。そもそもからして。構成要素が雑多で、
いつでもそれなりのものが出来てしまう可能性、ってのがありうる。人間がいる以上、
いつだって物語はあって、それを上手いこと構成する奴がいて、形になる場合がありうる。
そうするといいものが出来てしまうことは余程の検閲だの抑圧だのでもない限り、
いや、単なる噂話の類だって物語だ、そう考えれば、人がいて、人間が生きる不可解に
興味を誰しもが持ってしまう以上、物語は要求され、生成され、たまにはいいもんも出来てしまう。
ある程度、経済的政治的に安定し、ドラマや映画がコンスタントに製作されていれば、
それなりにアタリは出ても来るし、アタリの可能性だって自然と高まる。
だからそれなりに制作がつづけられている以上、ひとつひとつの作品を忘れて、
更に出来のいい作品をなお忘れて、全体を指してなんかだめだ、って云う事自体に
無理があるんじゃないのか。だめだとして、具体性を欠いてちゃ説得力もない。
こことここのとこはよくないよなー、最近、みたいのだったら、だからありうる。
でもなんか全体的によくない気がする、ってのは、云ってることが抽象的過ぎて、
結局、云ってることがよくわかんない。伝わらない。
でも結局、要はノスタルジーってだけだよな。その手の言説の因は。
昔と今をそう単純に比較はできない。まして大雑把には。なんかそんな感じだ。とりあえず。
オチがつかない。