國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

やっぱり猫が好き

すべては海になる

すべては海になる


ほんの初期のクリスマス・エピソードのは脚本・演出が山田あかねだった。
そのビデオにはそれより他に2本入っていて、そちらはギャグで推してゆく作りだったが
件の山田あかねの回だけはもうちょいドラマというか、3姉妹の感情の経緯が描かれているのだった。
最後、3人共に彼氏が部屋に訪ねて来る、ってところで終っている。
その回だけ「女の子っぽいね」とはビデオ中の3人による回想的オシャベリで振り返られる。
で、3人はそのクリスマス・エピソードはお気に入りなんだけど、
スタッフの中には恩田3姉妹らしくない、としてあまり好まない人がいるとも話していた。
ま、大体が山田あかねなのだ。話が。そりゃ「女の子っぽい」話にもなる。
「すいか」でも一話担当していたような人だしね。そもそも。
(「そもそも」って「すいか」は「やっぱり猫」の15年くらい先のことだが。
そういや「やっぱり猫が好き」、タイトル画は桜沢エリカ、彼女、先だっての「爆笑問題のススメ」のゲスト。
お肌もつやつやで、整った顔立ちをしていましたが、考えてみればおれと同い年。
42歳とか43歳とかで、あれならば大したものだゎ。
おれ、彼女のマンガ、読んだことあったっけなあ?たぶん読んでたとしても1個くらいだ。
どちらにしろ憶えてはいない。おれにとっての桜沢エリカは「やっぱり猫が好き」の猫の絵の人だ。それきり。
それで、「爆笑問題のススメ」の時に言ってたけど、高校生の時に「少女アリス」の編集部に
遊びに行って、なんとなしそのままマンガ家になったとか。80年代だなあ。
若いやつぁ知らんだろうなあ、三流エロ劇画ブーム。まだAV以前。ビニール本出始めの頃。
(知識として知っている人はいるだろうが、でも当時のその感じみたいのはね。)
でもまあ世の中って、不公平ですな。
彼女みたいにかわいい女の子(始めはそもそも女子高生だ。しかも。)がひょいと編集部に遊びに行って、
そのままなんとなしマンガ家デヴュー。そのまま(ごく端折っていえば。
て、プロフィール等知らないのであれだが、)順調に今日まで。
なんかね、そういうのって羨ましいとか言うのじゃなく、なんかただ感心してしまう。
そういう人もいるんだよなー、みたいな。まったくの他人事。
でもなんか年はいっしょだし、70年代終わりから80年代を通じての時代の匂いのようなものを
なんとなし彼女のエピソードを通して感じて、なんかなつかしいというか、甘酸っぱいような気持ち。
おれは常に退嬰的だ。
三流エロ劇画ブームってさ、80年代始めのことだけど、おれもたまに本屋でその手の本、
立読みしてた。当時。その流れもあってか、もっと意識的な作品を中心にした雑誌とかも幾つか出て来た。
そういう雑誌じゃ、ひさうちみちおとか誰だとか、大層なメンツで、意欲的な作品が続々。
というか、当時はメディアが限られてたんだよな。ネットなんかもちろんないし。
おもしろいけど、ちょいとアングラなものはエロ方面へと流れて行く、ってのは日本の伝統ですな。
そしてその後はメジャーな展開へ。それまた伝統。
70年代だとこれがまた「ロッキング・オン」と「ビックリハウス」しかなかったり。
文化系ヤングのハートに応えるものは。
(で、もう時間なので、とりあえず以上。)
文弱の徒に対する救済装置。