國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

けものみち

のっけから謝る。
今日はなんか演出がゆるい気がして、せっかくの最終回なのに松田秀知じゃないのかぁ、
と思ったら、松田秀知でした。おれも見る目ない。まったく。
そんでドラマにとって最終回ってのは言い訳、つけたし、しょうがないからある、単なるオチ、
そういうもんですな。やっぱ。
大体最終回の前の回とかで大概のものは出尽くしていて、クライマックスもあり、
そうすっと最終回ってのは気の抜けたもんになりがち。
その一方見る方としては最終回ってのに気持ちを重く置いちゃうので、そこらへんのバランスもわるく、
最終回がよいもんてのはあんましないような気がする。
ドラマの感想とかでも最終回に関しては多く出るし、しかもガッカリしたの類が多く、
けどしょうがないんだよな。収拾つけてるだけだから。つけざるを得ない、ってゆうか。
最終回には期待するな!これ、鉄則。いつからか、おれの中で。
まあそんなわけで「けものみち」、今日はゆるい気持ちで見るようにこころがけ、それなりにたのしみ、
それにしても「けものみち」、こいつはちょっと傑作だった、いっぱいたのしめてよかったよかった、
そんな心持ち。
今期おれの見てるものに限っても、この「けものみち」「白夜行」「喰いタン」「時効警察」
と結構な水準の作品が揃い、なんかやっぱすごくね、こういうのって?
こんな風に毎期傑作がポンポン並ぶって、とんでもないことだと思うんだけどなあ。それはそれで。
これでTVドラマなんか大したことない、あるいは昔のドラマはよかったいまはだめだ、
その手のこと言う人がいるとしたら、なんかがんばりすぎだよ、文句つけるのに。
そんなんに労力使ったってもったいない。たかがドラマ。
そんで幾度か口にはしているが、「昔はよかった、いまはだめだ、この先は更にわるくなる」、
この手の言説はなにごとによらず実に実に多いが、その手に出会ったら
とりあえず眉にツバをつけろ!これ、鉄則。
昔の食べ物はよかった、添加物とかなくて、とかなんとか言うが、昔の人の方がよほど病気がち、
健康保険だってなかったし、早死はあたりまえ、いまの人の方が体格はいいし、長生き、
それに年齢による老け具合も変わり、見た目みんな若い、そういった事実をまず考えてみりゃわかるが、
いまの食い物の方がよっぽどいいに決まってるじゃん。
食糧事情がこんなに豊かなのに。そもそもが。昔はさ、冷蔵庫だってないし、道も凸凹、
流通事情だって遥かに貧弱、塩っ辛いもんばっか食って、栄養だって足りちゃいねー、
そんなんが日常だったんだぜ?なのに昔の食生活の方がよかっただなんて、ナンセンスもいいとこ。
ばかばかしい。こんなに豊かで腹いっぱい美味いもん毎日食えるってのに。
それに医療事情その他のことだって考慮しなきゃならんし、物事は複雑に連鎖して
出来上がっているのであって、いまどきの食い物はよろしくないだなんて単純にいえるモンでもない。
いつの時代だってその時代なりの取り得もあれば、ダメなところもある。
単に昔がよかっただの、いまがダメだの、昔がダメだの、いまがよいだの、
そんなことをみんな簡単に言いすぎ。物事、もっとややこしいじゃねーか。
とりあえずで、昔はよかった、みたいな話をするのはしょうがないが、
まるきりそれきりを信じているかの言説は大概ゴロがいいだけ。