國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

東京

東京・地方みたいな話で「地方でもネットの普及でCDでも情報でも手に入る」みたいな言い方が出てくるけど、その場合「それでもやっぱり東京なんだよ」って言う以前に、そもそも地方のふつうの生活で満足できる人たちが大半だって事実がすっとんでる。「東京」に飢餓感を持つのは特殊な性癖だ。
文化的なことに欠ける生活はただ味気ない、なんてのは文化系な人のたわごと(真実の気持ちじゃあっても)で、しあわせとか満足とかって、べつに地方の(文化系人間には)なんにもない生活にだってまったくあるに決まってる。
おれにとっては地方の生活みたいのはつまんないけど、やりきれないけど、でもだからといって文化系で東京志向じゃなきゃ人生に意味がないだなんて、他人に押し付けるもんでもない。なんでもない生活にだってあたりまえだが充実もしあわせもある。
どうしても文化系で東京志向の人間は地方の生活・人生みたいのを単純化して考えがちんなるし、見下してしまう。まるで「文化」や「東京」がないと人生がないみたいに。そんなことあるはずがない。
「文化」や「東京」に拘るのは悲しい性癖で、それがある程度以上満たされる環境で生きている人ならばよいけれども、そう、そして好条件に恵まれていてもさらに幸福かどうかはまた別物で。