國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

ソーシャル・ネットワーク


公開初日、地元のシネコン、朝イチの回で観てきた。客はぼくを合わせても10人いないぐらい。
日本じゃ当たらないんじゃないかなー?だってFacebookだなんてネットやらない人にはチンプンカンプンだし、ネットやっててもmixiは知っててもやっててもFacebookって言われてもねー。マーク・ザッカーバーグに対する認知も日本じゃないし。ふつうの人の興味を惹く材料に欠けてるよね。この映画。それにこの映画の宣伝みたいのたまに目にしても、いったいどういう話かわかんないし。若いヤツが起業して成功して云々みたいなことさえわかんないカンジだったよ。おれの印象じゃ。だからなんの映画かどういうストーリーかそもそもがわかんない。内容的にはどっちかったら限定公開向きな気がするけどなー。地方のシネコン込みじゃどうなんだろう。まー、おれには近所でやってくれた方が大いに助かるけどさ。都心まで映画観に行くのたいへん。
で。
映画観てて、はじめの方、主人公のパソコンがVAIOで、「へーVAIOなんか使ってんだ。なんでだろ?」みたいに思ったりしてた。
プログラミングとかする人がVAIO使ってるのってちょっと印象になかったから(なんとなく)(イメージで)。それからしばらくして今度はアップルマークが上の方の端、葉っぱの部分だけがちょこっと映り、けど間もなく消えてしまい、これまたフシギな心持ちがした。それでまあ時は進み、映画は終盤を迎え、最後のクレジット部分、コロンビア・ピクチャーズ、つまりはソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント、てか最後にでかく「SONY」と出て来て合点が行った。ああそーいうことねー、と。SONYの映画だからVAIOしか出て来ないんだ!って。
そういえば登場人物でiPodを使ってる人っていたかなー?どーだろ?

映画は前に聞いてたのと違い、主人公はべつにイケすかないやつでもなんでもなく、むしろ観てて好感の持てる、いたいけな人間なのだった。ともだちと上手くいかなくなるにしてもべつに計算高く、狡猾に振舞っての結果ではなく、いろんな成り行きでお互い擦れ違い、はなればなれになっちまうのだった。だからちょっとそこんとこはかなしかった。
ヤな人間てのは他に用意されていて、それこそはまったくイケすかないエリートのお坊ちゃまの双子とそのお付きだったり、ナップスターを起業した彼氏だったりで、D.フィンチャーが殊更に批判的に描いてるとしたら彼らだった。
あの双子はまだしも、そのお付きの彼がどういう存在なのか、ちょっとわかんなかったなー。双子はWASPとかなんかそのあたりかとは思うのだけれど、お付きの彼氏は中東とかインドとか、ともかく白人て感じとは違ってから。解説が欲しいところ。(そのうちネットで彼氏に対する解答を目にする機会もあるやも知れぬ)
その双子が参加するヨットレースの場面、そこだけなぜか唐突に実写なのにミニチュアに見える撮影方法ってあるけど、それが採用されてた。なんか意図があんのかなー?
http://blog.livedoor.jp/mikako0607jp/archives/51735551.html
↑この記事のモリッシーみたいなエリートに対する揶揄なのかしら?どうなんだろ?
ナップスターの彼氏はジャスティン・ティンバーレイクが演ってんだけど、ジャスティン君て演技上手いよねー。前にも「ブラック・スネーク・モーン」で感心したんだよなー。繊細で気の弱い男の子の役でさ。演技うめーなー、って。今回は「ブラック〜」んときとは真反対だから、それでまた感心したりしてた。

(こんなに歌上手いのにさらに演技まで上手いだなんて。フランク・シナトラか?!みたいな)

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トレント・レズナーアッティカ・ロスによるサントラはよかった!サントラいいといいよね。やっぱさ。
エンディング、ビートルズの「Baby, You're A Rich Man」なんだけど、「ノルウェイの森」でビートルズ使って云々とかってあったけど、ぜんぜんこの映画だって堂々と使ってんじゃんとか思ったけど、まあ予算が違うから、あれか。つか、楽曲の使用料ってどうやって決まるんだろう?権利持ってる人の言い値なの?値段を不当に吊り上げたりとか?
(映画でビートルズといえば篠田正浩の「悪霊島」で「レット・イット・ビー」がすぐに思い浮かぶなー。そんな世代)
てか、ラストに「Baby, You're A Rich Man」て、そりゃまたえらくベタなとも思ったけど、全体にベタな話ではあるので(エリートの双子の戯画化なんかは結構ステレオタイプだし)(それがいいところ)それはそれで。
「オカネじゃしあわせにはなれない」って。Can't Buy Me Love♪