國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

今村昌平

今村昌平のDVDとか出てるが、今村昌平、好きなんだよな。
ずっと昔、おれが小学6年くらいか中1の頃、小野耕世編集「60年代のカタログ」って本が出てて、
そこで今村昌平「赤い殺意」が採り上げられてて、すごく気になった。
「しかたなかったんでねえの」って劇中のセリフに焦点をあてた紹介だった。
結局観たのはずっと後だ。たぶんTVでだったと思う。いや、ビデオか。
おもしろかった。中で出て来るメガネを掛けた図書館員て、きっと「三つ数えろ」のアレだ。
ああそうだ。確か「60年代のカタログ」では「にっぽん昆虫記」もあった。これまた好き。
「果てしなき欲望」じゃ渡辺美佐子がとんでもなく色っぽいし、「神々の深き欲望」は初めて
銀座の並木座で観たとき途中でフィルムが逆さま、天地が逆になり、おれはまたそういう演出かと思ったが、違った。
客の誰かが文句を云い、たしか直ったんだか直らなかったんだか。
「盗まれた欲情」はTVでやって、ようやく観れる、うれしいなと思ったもんだった。
この前は「赤い橋のぬるい水」観て結構おもしろかったし、更に前に観た「うなぎ」もよかった。
少なくともデヴューから「神々の深き欲望」(すげえおもしろい。先日亡くなった河原崎長一郎が一番いい頃)
まではどれも好き。(もちろん観てないのもいくつかあるけどさ。
その中じゃ「人間蒸発」はずっと気になってて未だに観てない。機会を逃して来た。ついに観たいもんだ。)