國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

雑誌「トラベシア」Vol.6 いしあい号(仮)

10月17日(日)16:00~
西荻窪の本屋ロカンタンで「トラベシア」Vol.6の発売記念イヴェントがあった。

www.roquentin.tokyo

 「トラベシア」、今回はおれがテーマ。おまえ誰だよ???ってのがミソとも云える特集。
 これはこれでおもしろいじゃないのさ。「いしあいひでひこ」を材料に鈴木並木さんが雑誌を組み立てているという。編集の妙。

 インターネット歴四半世紀弱、一度としてハネたことのないわたくしなので、ネット内有名人でさえない。イプシロン・ブロガー、イプシロン・ツイッタラー。
 しかも若くもないしな。松本清張のデビューが47歳というのはいつも考えることなので、ヤングばかりが脳じゃねえ。まあ、冥土の土産といってはありきたり、おかえりなさい、ご主人さま、お好きなホレンディッシェ・カカオシュトゥーベのバウムクーヘンをご用意しております、、、この先つづかねぇ……

 閑話休題。

 当日は生憎の雨。傘持って家を出る。でも自宅からはまず所沢までクルマで。駅ビルたるグランエミオの駐車場にイン。そこから西武線で所沢→東村山→国分寺→三鷹→西荻窪。待ち合わせは14:00。ついたのは13:00ぐらいだったっけか。あらかじめめっけておいたドトールへ。ミラノサンド、たしかAとアメリカン(ホット)。当日はちょっと冷えたかな。

 14:00、鈴木並木さん、そしてなびすこさんと西荻窪駅前で落ち合う。さてそこから居酒屋へ周辺に詳しいなびすこさんの案内で移動。イヴェント前の打ち合わせ。ここでいきなり話は盛り上がり、なんかもうこれでいいんじゃないかと云うのを、なんせなびすこさんのおれに関する調査の行き届き、そこからの話の流れがよく、初顔合わせとはいえ、すでにたのしくなっており、けどまあイヴェント前に出し切っちゃってもというのもあり、ブレーキも効かせなきゃなんない、とはいえ、いざイヴェントとなったら、更に盛り上がったんで心配無用。

 15時には本屋ロカンタンへ。店主の萩野亮さんともここで初顔合わせ。はじめまして。
 西荻窪自体、今まで来たことがあったやナシや。憶えがない。いろんなことの覚えはとうにないけれど。まさかの痴気情事の隣とはこの日まで全く気がつかぬまま。
 高円寺。これは覚えがある。ジンタ見るため、今はなきペンギンハウスへ幾度も足を運んだ。もう20年近く前だ。うそみたい。ライヴ終わりに打ち上げなどあり、居酒屋を出てのち高円寺駅前でみなでぐるりと輪になっておしゃべりなどしたような記憶があって、40歳近いおれの遅れてきた青春じゃあった。おお、歳月よ、あこがれよ。
 阿佐ヶ谷。これも覚えはある。大学時代、バイト先で知り合った、友達というには少し精神的距離はあったかな、けど交流はあった、その彼が阿佐ヶ谷が地元で幾度か行くこともあったし、大学は出た後、バレルハウスというソウルバーへは彼と何度か行った。当時飲酒の習慣はなく、けどズブロッカとか飲んだりしてた。流れる音楽はもっぱらにソウル・ミュージックなわけで、そういう点では居心地はよかった。その彼と最後に会ったのはいつだったか、池袋西口公園でカネ貸してくれと云われ、3万円ぐらい渡したんじゃなかったか、それが最後だ。いまどうしてるのか。
 てな感じで西荻窪に近いあたりにはそれなりに用もあったりもしたけれど、西荻窪はほんと行かなかったなあ。カフェ巡りをよくしていた時分ならば行っててもよかったのにね。なんか行くことはなかった。

 そんなこんなで16:00を迎え、店内にはお客さんも揃い、配信の準備も完了。スタート。

 なびすこさんのリードで幕を開ける。本屋ロカンタンのある西荻窪、そして吉祥寺あたりの昔々の様子を映画のロケシーンなどでチェック。用意周到。「俺たちの旅」など、おれも知ってる、というか、世代的にドンピシャなものなど出て、気分はすっかり60年代~70年代へ。
 それらが済むといよいよ「いしあいひでひこ」を巡る過去への旅。
 まずは幼少時代、大山(板橋区)。これがおれの提出した数葉の写真などを元に、実に綿密な調査。びっくりだよ。えええええ???って感じで。知りたかった、隣の豆腐屋の幼馴染の女の子、といって記憶はほぼない、その彼女のことはさすがにわからなかったけど、豆腐屋のその後などが地図帳で確認出来たり。もちろん、おれの両親の営んでいたラーメン屋「本陣」の場所なども特定。現在は道路拡張に伴い、その周辺の店舗、建物はなく、道路と化していることなどもわかった。しかもピンポイントで「大山西町」の町史が発行されているという奇跡。そしてそれを資料としてここに出すなびすこさんの調査能力。すげかった。おれは喜んだね。NHKのファミリーヒストリー並みの調査力。感嘆。

 次は保谷時代。たぶん小学校入学少し前から小3の夏休み前までおれが住んでいたところ。当時の友達の行方なども知ることが出来、なんか安心したものがあった。生きててよかった。長生きは勉強になる。
 小2からの栄小学校についても知ることが出来、しかもやたらアルミで出来た最新式プールが印象的だった理由もわかったりしたのだった。栄小学校自体、当時出来たばかりだったけど、プールは更にその後、工事も含めて当時のおれは見てたわけだよ。そりゃ小学生にはいちばん印象に残る。そして「栄富士」!!!これだよ、おれが求めていたものは。これこれこれ。プールを作る際に出た土を積んで山状にしたもの。この栄富士で、やたら遊んだんだよ。足も脚もズボンも泥でめちゃくちゃに汚しながら。ダンボールで滑り降りたりなんかしてた。すごい遊んだ。当時は汚れてんのなんか気にしやしない。きっと汚いママ授業受けたりなんかしてたに違いねえ。

 いやいやいや、なびすこさんの調査能力のすごさよ。ほんとマジで。知りたかったことがあれこれ知れてほんとよかったです。ありがとうございました。

 イヴェントの後には参加者数名で沖縄料理の居酒屋へ。ここでまた歓談。たのしかったな。さて、ここでは次回のイヴェント、11月28日(日)、同じく本屋ロカンタン、そこでご一緒する平山亜佐子さんと、次回イヴェントの打ち合わせも。はてなダイアリー他、インターネットの昔を振り返る(?)、みたいな感じでどうかと。
 まさかの2回目。諸姉諸兄、たのしみにしてくれたまえ。

「問題の女 本荘幽蘭伝」(平山亜佐子)

 でもって解散したのは9時?10時?もう大分寒かった。雨は上がってた。新宿まで暫く一緒に行く人数名、そして新宿からはひとり西武新宿線で所沢へ。人気(ひとけ)のない駐車場。夜の屋上。わるくなかった。ちょっと周りを見渡して軽くムーヴィーも撮った。こんな日はいいな。してからクルマで一路帰宅へ。日曜夜の道路は当然空いてて、たのしく過ごした後の夜の運転、家に着くまでのふうわりと浮いた時間。
 うち帰ってからはすぐに髭剃って風呂入って歯磨きしてデンタルフロスして、寝るのは遅くはなるけど、一通り済ましてから寝た方が翌日がラク。おやすみなさい。