國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

珈琲時光

小津安二郎の「浮草」を観たばかりで、彼のセックス観、男女観に思いを致していたところ、
そういえば「珈琲時光」、引いては侯孝賢のそれってのは一体どうなんだろうと考察したく思い、
結果いま思いついたのは小津安二郎ほどには侯孝賢て人は罪深くないんじゃなかろうか、って
ことだった。小津安二郎は女性とのことに関して、暗いなにかを抱えている。侯孝賢はそこまでの
ものは抱えていない。そんな思いつき。
端的に言って小津先生はスケベで、侯孝賢はそれほどスケベではない。そういうこと。
(余談だが「誰も知らない」がおれにとって物足りなかったのは(韓英恵を除く)、監督の
是枝裕和って人が罪深い人ではないせいだとおれには思えたのだった。)