國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

元ちとせ

ようやく「ノマド・ソウル」を聞く。やっぱり彼女には強力なプロデューサーが必要だよなあ。これじゃなあ。せっかくの才能がなあ。こんな半端なナチュラルめいた素振りなんかじゃなあ。「ノマド・ソウル」ってなあ。まずは彼女のイメージ作りからきちんと描いて、それをアートワークなりなんなりで表現する方向をつくり、そしてもちろん彼女にあった楽曲を提供することのできる人を選別し、アレンジ面でのアイディアや冒険を促す、あるいは自身でそういったことも出来てももちろんいい、そうした本当の意味でのプロデューサーがいてくれたら。適切なミュージシャンとのコラボレート、意外な、けれど正に彼女の為のカヴァー曲の選択・実現、ライヴ会場をどこでどうするか、彼女に適切な出演イヴェントの選択、等々。なんつうかねぇ、やっぱ曲が弱い。歌詞が空虚でグッと来ないし、曲自体それに連れてもうひとつだし、そしてサウンドの凡庸。あとちょっと関係ないけど、自分で曲書いたり歌詞書いたりするのがエライ、そうすべきだって風潮は山下達郎も言うようにくだらない。作詞作曲家なんてそもそもが歌手の婢(ハシタメ)にしか過ぎない。世の中で一番えらいのは歌の上手い、歌を唄える人間なのだ。それこそが最上。