國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

憎いあンちくしょう

「憎いあンちくしょう」を観る。以前観たことはある。再見。
監督は蔵原惟繕(くらはらこれよし)、62年の作品で、手持ちキャメラを多用している。
時折、キャメラマンの影が映りこんでいるシーンが見受けられる。
それでもオッケーと踏んでるのか、或いは異化効果的な意味合いなのか、単なるミスかは判らない。
裕次郎がもう既にずんぐりしてしまっている。
デヴュー時の裕次郎はでも実にフレッシュな輝きがあってやっぱカッコイイょ。
この映画でも彼でこそというキャスティングではあるんだけど、やはり太ってしまっているのは残念だ。
浅丘ルリ子が下着姿で室内をウロウロ、そして踊るし。サービスいっぱい。もちろん今からすれば
身体覆い過ぎで野暮ったくもあるんだけど、でもセクシーショット満載。
ついでに裕次郎のワイシャツをだぼだぼと着ていたりもする。なんかそれって
さんまがよく言及する彼の好きな女の姿だが、どうなんだろ、元はなんかフランス映画かなんかなのかなあ。
意外とセットが多い気がした。当時の映画としては普通なのかも知れないけど、
作品自体はヌーヴェル・ヴァーグな作りでもあるし、若干違和感がある。
でも「完全なる遊戯」じゃそういう感じは受けなかった、というか、
むしろロケが多いなあ、って印象だったんだけど。
おれはきっと蔵原惟繕よりも舛田利雄の方が好きだ。
蔵原惟繕って例えば岩井俊二とかになんか違うなぁ、って感じるのと似たような印象を
受けるのかなぁ。ううむ。ただそれとは別に彼の作品には当然、
往時の日活映画の魅力ってのが絶対的にあるので話は又違うが。)
主題歌の「憎いあンちくしょう」、作詞が「藤田繁夫」となってたが、つまりは藤田敏八ってことか。ふうむ。
スッキリと美しい芦川いづみ
しかしまあそんなことより井口昇の「ロリータ監禁レズ」をさっきちょこっと観たんだけどなんか凄かった。
ワンショット、ワンショット、力強いことこの上なし。すげえ。
なんだか納得できるショットしかない。すごいよあ。才能があるって。
女優さんがちゃんと小学生に見える。演出の勝利。いや、才能の勝利。才能は必要なもの全てを呼び込む。
エロショットにうずくよりも、ショットのよさに思わず起き上がってしまった。
そして勃起もしてた。忙しい。
つづきはまた明日以降に観る予定。