國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

映画鑑賞

キューティーハニー [DVD]』を観る。
サトエリは顔がしみったれているので、表情がウェッティーなので、もっとウジウジしたストーカー女、
東京湾景」みたいの、ならよいけれど、こういうアニメちっくなのだとちょっとな。
観てるとまんまアニメに置き換えられそうなカットとキャラの性格、動きばかりで出来上がっていて、
アニメをイメージしながら観た、って人は結構多いかもなあとか思いながら観ていたよ。
(身体にゴミ袋巻いて商店街抜けてく、なんてまるきりアニメでありそうだもん。おにぎりの好きな
女の子、とかさ。よく見る、っつうか、よく見るような気のするそれ。)
(ま、それが狙いじゃあるのだろうし、そんなこと既にみんな言ってそうだゎ。
他人(ひと)の感想とかはまだ見てないの。ちなみに。)
音楽はよかったです。
でもでもでも。
ぼくとしては今回、市川実日子がやたらと可愛く思えてしまい、観ながら、もう萌え萌えでした。
もうこれからは、ふかわりょうに似てる、とか言いません。(似てるけど。でも言わないの。)
べつにメガネを掛けてたせい、ではありません。(ほんとにぃ?)
ともかくです、市川実日子に萌える日が来るだなんて、世の中わかりませんえん。
大体米倉涼子だって、好きになっちゃうくらいだもんなあ。なんでもありだよ。世の中。
恋心なんて安易。恋はイージー。ソドンリー。
ダメだ。今日初めて市川実日子とつきあいたいと思ってしまったよ。あんな彼女がいたらいいな、
とか思ってしまったよ。
好き。
「濡れた二人」を観る。
68年のこの映画から既に「スチュワーデス物語」化が始まっている。一体いつからこうなっちゃったんだろう、
増村保造。大して観てないから、そこらへんの経緯を押さえてない。けど気になる。
とりあえずみんなセリフの言い方がヘン。北大路欣也の顔がヘン。
吹替えヌードがヘン。(ま、これは時代のせいもあるんだけど。)
言ってること、行動が突然で、しかもいきなり興奮しててヘン。
しばらく前に「奥様は18歳」をひっさしぶりに目にする機会があって、そしたらやたらみんなして
息せき切って力んでセリフ言ってるんで、ああもうこっから大映テレビ独特のパターンて
やってたんだあ、って思ったんだけど、なにせ昔そこらへんの岡崎友紀主演ドラマ見てる時は
なにせ小学生、そんなこといちいち気にしない、単に楽しく見てただけだもん。
で、「濡れた二人」に戻る。
案外にこの作品を増村作品のベストに推してる人が結構いるのがでも意外だったなあ。ネットで検索とかして。
おれは映画としては退屈で、あとは終わるまでヘンちくりんぶりをぼんやり見てる程度だったからさ。
おれが増村作品でなにより印象的なのはなんつっても『積木の箱』
これはちょうど中学〜高校くらいの時にTVで何度か放映してて、その度に欠かさず見てたんだもん。
オナニーするために。おれのズリネタ映画としてはラウラ・アントネッリ主演の「青い体験」と双璧。
両方共、放映のある度、どうやってオナニーしようか、いつも悩みの種だった。
大体自分の部屋、なんてものは高校入るまでなかったし、まして自室にTVなんてものはない。
そういう時代ですもの。大変だよ。オナニーするんだって。直接見ながらする、ったって、
もう気が気じゃないったら。
そんで「積木の箱」では松尾嘉代が少年を誘惑する(このシチュエーション自体が当時少年だった
おれには刺激的なわけだよ)、そこんとこが一番たまらんところだったなあ。DOpyu!!って感じ。
でさあ、後年、大人になってからあらためて見たわけですよ。「積木の箱」。ちゃんと。
そしたらさすがにもうあの程度じゃあ興奮もしないし、第一それより先に例の「スチュワーデス物語」調の
方が気になっちゃう。ま、それはそれで別の意味で楽しいんだけど。で、「積木の箱」に出てる
梓英子、彼女はカワイイです。掛け値なし。他の映画とかあんま出てないんだよね。彼女。
早々に芸能界を引退しちゃったみたいで。それがちょっと残念。
あとは『セックスチェック 第二の性』もよくTVでやってて、見る度意味がわかんなかったなあ。
中学くらいのおれには理解出来なかったよ。話が。いや、別に難解な映画なんかじゃないんだけどさ。
藤田敏八『八月の濡れた砂』とかもよくやってて、やる度見てたけど、
でもこれもやっぱり理解が出来なかった。当時。
ほんで、「セックスチェック」も悔しいから後年、大人になってからちゃんと観たら、
スポ根映画だった。もちろん「スチュワーデス物語」調。
「積木の箱」にしろ、「セックスチェック 第二の性」にしろ、「八月の濡れた砂」にしろ、
当時はまだ劇場にかかってからせいぜい十年、あるいはそれ以下で、割りに最近の映画だったわけで、
そしてまたTVで何度もやるのはエロいから、なんだよなあ。視聴率稼ぎ。数字に貢献してました。
(昔はTVで「盲獣」とか「恐怖 奇形人間」とかもやってたのだよ。若い諸君。)
増村保造の「スチュワーデス物語」化は映画産業の衰退ってのもあるだろうし、それとまた別に
風俗の変遷、てのも大きいんじゃないかとちょっと考え中。
60年代後半からのエロと暴力の、表現に於ける顕在化、服装、振舞いのカジュアル化、平準化。
増村保造は60年代の後半から映画自体の評価は別にして、少なくとも表向きの出来具合、
表現されているものはどんどん安っぽい感じになっていってる。単にエロが要求されたから、
とかそんなんじゃなくて、なんとか時代に追いつこう、として、でもなんか間違った方向に
行っちゃったんじゃないかと仮説を立ててみる。比べるに石井輝男ならば元からカルトな感じの
映画を撮ってたわけじゃないんだけど、ただ本来の資質が急激に変化する風俗と映画の
表現に合っていた、とかなんとか。
増村作品、他だと『氾濫』が殊の外よくて、これには川崎敬三が出てて、大映の昔の
映画を観るとよく出て来る彼はいつも素晴らしくて、俳優として非常に優れていると思うんだが、
残念、映画界は彼がこれからという時代にはもう大分衰弱し始めてしまっていた。
そして映画スターとしてはやってはいけず、TVに移り、ドラマも幾つもやってたんだろうけど
(おれの記憶にあるのは「雑居時代」くらい)、「アフタヌーンショー」の司会をいつしか
やるようになっていた。(田宮二郎だっておれが初めて印象があるのは「クイズ タイムショック」の司会だ)
「そうなんですよ、川崎さん」(あ。ヤングい人にはもうこれ、通じないのか・・・・。)
そんで「アフターヌーンショー」ではやらせ事件というのが起こり(問題になったその回、おれ、見てたよ)、
彼は降板、その後はいろいろあったのでしょう、しばらく前に「週刊文春」のインタヴューに
応える彼は「ともだちは一人もいません。見事に」と言い、アパート経営でとりあえず経済的には
安定しているが、そこに到るまで、オカネ絡みで騙されたり、人間不信にならざるを得ないことが
相当にあったようで、そのインタヴュー、ちょっと切なかった。
絶対いい役者なんだけどなあ。川崎敬三。
『「さよなら」の女たち』を観る。
(上にいっぱい書きすぎてしてしまい、エネルギーがもうない。よって竹内力がよかった、とだけ。)