國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

真夜中の弥次さん喜多さんPt.4

おれ、これ観てて、あんまし笑えなかった。結構「笑った笑った」みたいに書いてる人がいて
ちょっと羨ましいとも思った。笑うにはまず話しにノラないとそうも行かないと思うけど、
まずもっておれにはテーマがなによりも気になってしまい、これは一体どういう
意味合いなんだろう?ってそればかり気にしていたせいもある。それにTVのクドカンよりは
笑える部分がハズしている気もしてた。もうひとつピンと来ないなあ、って。
実はそのことも他の客の反応として気になってた。「難解」な映画であることと
「笑いどころがもうひとつキマってない」、その2つに関して、どうなんだろう、
おれは感じるものがあるから、その2点については目をつぶる、というか、それもまた
この映画の魅力として楽しめるけど、他の人は不満を感じるんじゃないだろうか、
そんなことを観ながらずっと気にしていたのだ。そしたら、はてなを巡ると随分と
ギャグのウケがいい。意外だった。しかも「難解」な部分には別に頓着もせず
ただただ笑えて楽しかったみたいな風な人までいて、これまた意外。重いテーマ、
そして難解さ、その2つが観てて気にならなかったのかしら。おれはどうしても
テーマ主義なので、こういうの観ると尚更にギャグよりも作者の訴えたいことはなにか?
という国語の試験問題のようなことがまず第一等に来てしまい、笑いどころはオマケ程度、
笑えなくてもしょうがない、くらいになってしまい、つい観方がツッかえてしまいがち
なので、なんか損してしまう。もっと素直に笑える部分とかで楽しめれば、もっともっと
美味しいだろうになあ。勿体無いなあ。もっと堪能したい。小賢しいことは出来れば
どっかにうっちゃってしまいたい、が、そうもいかないし、まあ、小賢しく観たり語ったり
するのも結局楽しいので、なんでもいーや、この際。だってこうしてあれこれ書いたり
考えたりするくらいには好きだし、味わってるんだもん。
※ ちなみにおれのギャグセンスに関しては上記、「お金持ち」の項、
羊羹がどうしたで判断して貰いたい。
そういえば『弥次喜多』、テーマとかそんなんにこだわり過ぎてて、おれ、例えば
長瀬クンとかのことについてぜんぜん書いてないや。長瀬クン、『IWGP』の時から好きだし、
『ビッグマネー~浮世の沙汰は株しだい』(asin:B00006G8UA)の彼もよくて、ますます
ファンだったし、今回『弥次喜多』に関してはもちろん下敷きにしているだろう
傷だらけの天使』(『真夜中のカーボーイ』は当然その更に下敷き)、その中の
修ちゃん、つまりは往時のショーケンぽいかも、なんてちょっと考えてみたく
なったりもしたのです。漢字読めなさそうなところとか。(まあショーケンはあまりに
スペシャルなので、比べるのもあれだけれど、でもそんなことはともかく、
長瀬クン、いいじゃん。好き。)
(あ。そうだ。『白線流し』もあった。あそこでの彼もよかったなあ。)