ザ・フー
『The Who - Amazing Journey/Sparks』
この前「ザ・フー アメイジング・ジャーニー」、観て来たので感想。
公式サイト http://thewho-movie.com/
上映館のシアターNって、あれな、ユーロスペースなのな。経営がいっしょかどうか知らんけどさ。場所がまんま。内装も前と変わってないし、でもユーロスペースってよそに移ってそっちもあるから、そのへん、どーなってんのか知らんけど。大体いろいろと情報に昨今疎いし、都内に出る機会もめっきり減ってるし、といってやたらグーグリするのも味気ないし、この際雰囲気で云ってみたい。
客層は「シャイン・ア・ライト」がジジババばっかしと比べてまだ若いかとも思ったが、そうでもなかったかも。まー、「シャイン」に比べるとお客の数もずっと少ないし、おれが行ったのは平日じゃあったりで、あれだけど。
ただ、ザ・フーってさ、いまだとロック・ファンの定番だけど、少なくともおれが若い頃とかはまだ、ロック・ファンの中でもマイナーな感じだったよ。ザ・フーって。日本だとね。大体ヒット曲がなかったしなー(「マイ・ジェネレーション」と「サマータイム・ブルース」ぐらい。あと映画版の「ピンボールの魔術師」のヒットってのもあったけど、それってエルトン・ジョンの曲って受け止め方だ。当時)。たぶん、それって大きい。あとデヴューがビートルズやストーンズよりちょっと遅い。ピークが70年代にちょっと入ってから、ぐらいの感じだし。それに昔々はアニマルズが人気あったんだよ。日本じゃ。ザ・フーやストーンズなんかよりもずっと。リアルタイムでは(又聞き的なあれだけどさ)。
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ザ・フーの映画といえば「さらば青春の光」と「キッズ・アー・オールライト」で、製作・公開が当時ほぼいっしょだったはずで、そのせいで「キッズ・アー・オールライト」には「四重人格」からの曲がぜんぜん入っていない。
「さらば青春の光」っていうと毎度思い出すのがTBSラジオで放送してた時分の「スネークマン・ショー」で、そこで推してたんだよな。この映画を。伊武雅刀の声で。結構本気で、気持ち込めて。それが桑原茂一の意志なのか、小林克也他も含めてスタッフみんなの気持ちなのかわかんないけど、でも推してた。ともかく。それが印象的。
「キッズ・アー・オールライト」はビデオ買って、もう何回も何回も繰り返し見た。当時ミュージシャンの動く姿って貴重だったし、そんな中でも「キッズ〜」は見たいような映像が満載で見応えあったし、「マイ・ジェネレーション」TVでやって、ドラムセットとかメチャクチャに壊れて煙上がってるのとか初めて見たときの感動ったら、もぉ。ねー。
「My Generation/The Who」
なんだっけ?なんかのビデオで「So Sad About Us」初めて見たときもキース・ムーンの余りのカッコよさに泣いちゃったもん。ほんと感動した。あんときは。いま見ても泣いちゃうけどさ。うん。
『The Who So Sad About Us』
で、あれだ。「アメイジング・ジャーニー」だ。感想。閑話休題。
プロデューサーのキット・ランバートの父親って英国ロイヤル・バレエ団の創設者なのな。CHO-!!!セレブじゃん。(以下、ザ・フーについてはおれ、バイオグラフィー的なことほとんど押えていないんで、知ってる人なら知ってることでもおれには、ヘー、ってなことがつづいたりする予定)
クリス・スタンプとキット・ランバートは大体どっかのバンドの映画でも撮るつもりだったりで、それがザ・フーってことになって、そのせいかハイ・ナンバーズ時代の映像とかもちゃんと残ってんのな。ちょっとクリビツ。
てか、おれ、「The Who」って名前が元々でその後に「High Numbers」になり、それがまた「The Who」に戻った、って知らなかったよ。ザ・フーの前身がハイ・ナンバーズとばかり漠然と思ってた。
「シャイン・ア・ライト」がライヴ映像とはいえ、映画的なカッチリした作りになってんのに比べると「アメイジング・ジャーニー」はもっとふつうのドキュメンタリーで、それ自体としては凡庸じゃあって、レンタルとかでもいいくらいな作りかしら。
「シャイン・ア・ライト」がジジイ連中とは言いながらポジティヴで元気な姿を捉えてるのと比べると、「アメイジング・ジャーニー」は過去からの歴史を辿り、若い姿から現在へと到り、さらに大体メンバー2人死んでるし、ロジャー・ダルトリーのメガネ姿(老眼?)とか見てると老いと死についての映画にも見えてしまう。
ジョン・エントウィッスルが浪費癖がひどくて、オンナ遊びも止まない、みたいなタイプだって知らなかったなあ。
ステージじゃヘンな服着てるけど、あれはワザと遊びでやってて、他のメンツと比べると動きないし、見た目地味だし、ステージ降りたら静かな人かと思ってたらそうじゃなかったのね。
あとそう考えると、一時アルコール依存症もひどかったピート・タウンゼントとかとも比べると、ロジャー・ダルトリーってその手のトラブルが存外ない。学生時代は学校に放火して退学になったとかで、喧嘩っ早くてワルまっしぐらだったのに、更生した不良の方がよりマジメってとこなのかしら。
ピートが「キースもジョンも天才。まー、おれも天才。でもロジャーは単にヴォーカリストってだけ」って言ってて、まーたしかに。けどそのロジャーもアルバム「Tommy」で著しい成長を見せて「おれはザ・フーの"声"になりたかったんだ」って夢が叶う、と。
『The Who - Go To The Mirror!』
雑誌「Rolling Stone」の20周年記念のTV番組ってのがその昔あって、グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアがモンタレー・ロック・フェスティヴァルの思い出を語ってて、そこで「おれたちグレイトフル・デッドはザ・フーとジミ・ヘンドリックスの間が出番だったんだよ。そのせいで誰もおれたちのこと、憶えてない(笑)」ってゆってて、それがおかしくって、いまでも時々思い出すくらい。
『Jimi Hendrix - Wild Thing (live) (Guitar Sacrifice)』
ピートもロジャーも、元マネージャーのクリスもか、第二次大戦後の崩落したロンドン、物資不足の戦後について語っていて、そーなんだよなー、ザ・フー他、あの世代ってみんな第二次大戦の影響をどっかで受けてるんだよなーって、あらためて思った。
それで思ったのがピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズやキンクスのレイ・デイヴィスが戦争について唄ってる場合、ある種の実感を持ってそうだったんだって、いまさら気づいたりしてた(遅すぎる)。
『The Kinks-Some Mothers son』
『Pink Floyd - Us and Them』