國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

殺人の追憶

昨日の朝早く、9時から新宿で観た。早朝割引1000円。
充実してるなあ。中身たっぷり、ムダなし。
もちろん感想である以上はネタばれだ。以下。
ほえる犬は噛まない」でもそうだったけれど、ポン・ジュノ監督はそれだけを取り出したら、
安くもなりかねない暗喩を、映画自体の魅力、キャメラワーク&編集、脚本の上手さ、
脇役、端役に到るまでの役者の魅力を引き出す演出(顔がみんなほんとにいい!)等々で
きちんと掬い取り、結果堂々と見せてくれる。そして感動する。
(というような野暮な事は書くに忍びないのだけれどもたまには書きたい。)
そして例によっていいアイディアがなく、会心の感想は書けないけれど、ともかくよかったゼ。
シネマスクエアとうきゅうも電気が全部落ちてました。(足元除く)
やはり映画館、全体に方針が変わってきたんでしょうか?真っ暗にする方向に。
ソウルから来た若い刑事が江口洋介っぽかったです。容姿というよりイメージが。
あああとあれだ、おれが好きだったのは容疑者暗い中追いかけてって、
いきなり光り煌く大掛かりな工事現場が現れるところ。
若い容疑者のアパートの部屋、刑事のソン・ガンホが女と住んでる部屋、妻子持ちの容疑者の汚い部屋、
そこで甕の中から出て来るエロ本のよれ具合、どれもこれも絶妙。
雨の中、バス停なのか、どこか狭い中に数人で閉じ篭ってるのを俯瞰で撮ったシーンも
なんか見ててよかった。(「なんか」ってなんだよ。おれ。)
画面に魅力があるんで見てるだけでとにかく気持ちいいゼ。