國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

映画鑑賞

「薔薇ホテル」「憲兵と幽霊」「地の涯に生きるもの」を観る。
「地の涯〜」は「渡り鳥いつ帰る」に続いて久松静児監督、森繁久弥主演だが、「渡り鳥」を観た後、
図書館で森繁久弥のインタヴュー本を見る機会があって、「地の涯」は「知床旅情」を産み出す
キッカケになった映画だといったようなことが書いてあり興味を惹かれ、そういえばいつも
利用しているTSUTAYAに置いてあり、なんとなし気にはなっていたので、この際と観ることにした。
でも映画の中じゃ「知床旅情」は歌われてるわけじゃなかった。
撮影も終わり、彼の地を後にする間際にその歌は出来上がり、披露したようだ。(参考
「憲兵と幽霊」、というか新東宝の「憲兵シリーズ」はずっと前からビデオ屋で見かける度に気に
なっていて、それでも中々実際に観るまでには到らず、今回図書館にあったのを借りて、
観てみることにようやくなった次第。
これはまあ、セリフでいちいち状況の説明はするし、ともかくも低予算でテキトーな話で、けどエロと暴力は満載、
そんな中、監督の中川信夫はキャメラを左右に幾たびも会話中動かしてみたり、斜めにしてみたり、
その他シャープでスタイリッシュな画づくりでどーでもいい陳腐な話なので好きにしてる、
って感じなのでした。演技とかいちいちひどいしね。でも天知茂は魅力的だし、久保菜穂子は
色っぽかったりするし、脚本に比して演出は冴えてて、特に天知茂が罪の意識からか、
死に至らしめた幾人かの人間の血まみれの亡霊に襲われるシーンとかキマってる。
「薔薇ホテル」はこの前松本清張の映画化作品観ようシリーズで観た「内海の輪」がすんごくよかった
斉藤耕一が監督してて、ビデオのジャケットの広田玲於奈が妙に気になったので以前から
これも観たいと思っていたのを図書館から借りて、ついに観たのだった。
出来としてはよかないけど、チープだし、でも随所に斉藤耕一っぽいところがあって、特に女性が
エロいとこなんか、なんだかきらいになれないのだった。
「内海の輪」、ほんとよかったんだけど、感想書きたかった。予期せぬ拾い物だった。あれは。