國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

受験

どうもこの時期、ともすれば気が沈むかと思えば、受験シーズンなんだよな。真っ只中。
たぶんおれの心の中でかつてのダーク・エイジ、受験生気分が甦っているのだろう。
たったひとりの受験生生活。よくあれで受かったよな。自分に乾杯。
合格してもまったく気が晴れなかった。
いよいよ大学生になっても、やっぱりともだちは出来ず、カネはなく、ノイローゼは継続した。
入学式、私服はおれだけだった。みんなスーツを着用。そんな仕組みになってるなんて全く知らなかった。
大体スーツなんて持ってなかったし、買えもしない。ネクタイの締め方もずっとわからないまま。
四年生になってもそう。就職運動とかやれるような精神状況じゃなかった。
バブル真ん真ん中、売り手市場もいいとこだったってのに、おれにはまったくの他人事。
ふつうの人みたいにふつうに就職とかしてみたかったなあ。
自分はずっとふつうの人だと思ってたのになあ。
でもふつうの人はデフォルトでともだちがいるんだよなあ。
気がつかんかった。ほんの3、4年ぐらい前まで。遅いよ。
でもふつうなんだけどなあ。エキセントリックなとこはないし。ううむ。
いっそ「変わった人」ならばまだ生きる余地がある。でもおれみたいに「ふつう」なのに、
世間とは思わず知らずズレてしまうタイプ、案外存在する筈だが誰にも気づかれない、
見た目ふつうだし、には居場所がナッシング。ともだちできない。
よってさみしい。つまんない。気持ちの持ってき場がない。
困る。困るだけで前進しない。始まる前にストップ。
世間が傾きすぎてる。そういう結論じゃないと、おれの気持ちは落ち着かない。