國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

PANTA

来たよ『マラッカ(紙ジャケット仕様)』、今も聞いてる。
ああいいなあ。♪つれなのふりや
これ、ライナーに載ってる鈴木慶一(このアルバムではプロデューサー)の写真が
まるきり青年の顔。なんかふしぎ。いまはもう白髪のおじさん、いや、
おじいさんてイメージだもんな。ほとんど。
(そういうおれも道行く人がみな振返る白皙の美青年からPAPASの似合う、
道行くマダムがみな振返る渋い中年へと変貌を遂げる昨今、そんなのはあたりまえなんだが、
こういう場合自分のことは勘定に入れないのが常。)
(ほんとは冴えない、いつもメガネが曲がってるともだちのいない、
道行く人から同情を買うこともない、ほぼ忘れられた存在の高校生から、
年よりは若く見えるけど、でもそれだけで、ルックスがパッとしたところのないのは
相変わらず、そして道行く人よりは大概低収入、滅多に勃起しない42歳へと
力なく変わっただけ、なんだけどさ。夢がないねえ。はぁ。特技はため息。)
そういえば、このアルバムが出た当時、いわゆる24年組ってやつが大活躍、
『LaLa』やなんかで少女マンガが大変なことになってたわけだが、考えてみると
その頃、昭和24年生まれってことはあれだよ、例えば79年の時点で僅かまだ30歳に
なるやならずや、なんかいまはそういった人たちって大御所ってイメージになっちゃってて、
昔からおばさんだったりしたみたいな気もしてるけど、70年代後半、24年組、若かったんだなあ。
20歳代後半だもんな。そりゃもう大人だけど、でも人生上、そしてマンガ家としての
自分のこれからを思い悩む頃でもあったろうし、そういう時期に
あれこれの名作は書かれたんだよなあ。などと最近思ったりした。
ああ。若かったんだなあ。みんな。