國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

時効警察

岩松了によるそれはエロスと不条理の演劇的展開になっていて、いままでのテイストとは
違っているのだった。ハロルド・ピンター(読んだことも観た事もないが)とか別役実
(もひとつくらい観たか観ないかで言っている)とかの不条理っぷり、そんな感じ。
微妙にズレていくのだけれど、観ているとなんとなし受け入れてしまえる。それ。
そして出来はよくはなかった。つまり、さらりといつの間にやら話の中に入ってゆけない。
やりたいことはわかるけど、でもなんか合ってない。セリフとキャラクター、
それまでの設定、等々と思惑が。そのズレがなんか気になったし、ところどころの
不条理なセリフのやりとりが不条理な味ではなくて、単になに言ってるかわからない、
みたいに何箇所かなっていて、落ち着かなかった。でもわからない。
繰り返し見ると段々気持ちよくなって来そうな気もする。
ただ「時効警察」のこれまでの趣旨とは違い、重く暗いテイストだ。たのしくはない。
それに成功もしていない。けどそれなりきになにかしらあるのが気にもなるようなならないような。
ともかく演劇臭かったっすよ。今回。(ってもう先週の金曜日のことだけど)
これが舞台だったら、観ててもっと納得しちゃうんだろうなあ、セリフや感覚のズレも
そのままたのしめるのだろうなあ、と見ながら思ってたのでした。今回。
舞台、つまりはライヴの生々しさだと簡単に伝わるものが、TVドラマにした場合は
もっと違う不条理の伝え方にしないときっと活きない。
見てて「?」となっちゃう。それも快いそれではなくて、単にしっくり来ないなあ、
わかんねーなー、みたいな。わかるんだけど、でもその場で生理的に受け付けないのが難。
なんでこんなこと延々と書いているんだろう。おれは。
しかもちゃんと書けてるかどうかの判断もつかぬまま。流し書き。毎度おなじみ、はタモリ倶楽部
パーカッション教室のあり方について。ギスギスしてしまいそう。
あ。ハロルド・ピンター観たことあった。演劇じゃなくて映画だが。

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ジョセフ・ロージー監督。脚本がH・ピンター。