國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

ゆうべ、気がつくと雨はとうに上がってて、月がまあるくあかるく光ってた。
満月じゃきっとなかったんだろう。少し欠けてる気もした。
けどあれはほぼ満月だから満月だ。
この同じまんまるの月の下
ちょっと遠いところにきみはいる
この同じまんまるの月の下
ぼくが歩道橋の上にいるときも
きみが電車の窓から見てるそのときも
この同じまんまるの月の下
ぼくがブラインドの隙間から見てるこの月も
きみが布団の中にいて月なんか見てなくても
この同じまんまるの月の下