國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

ヒップホップ

The Whispers - Up On Soul Train

ヒップホップ・ジェネレーション 「スタイル」で世界を変えた若者たちの物語

ヒップホップ・ジェネレーション 「スタイル」で世界を変えた若者たちの物語


ずっと読書なんかしていなかったが久々に1冊読んだ。「ヒップホップ・ジェネレーション」。
なんだか勢いでどんどん読んじゃったよ。最後まで。今日で。
まず翻訳がいい。翻訳物の場合、これは絶対な要だからなあ。「ヒップホップ・ジェネレーション」、とにかくこれは読みやすかった。スラスラいける。読んでてつっかえない。アタリ。
ヒップホップって、でもおれ、知らないことばっかし。ほとんど。入門して日が浅いし、更にそんな追ってないしね。情報。疎い。だから読んでて、へー、みたいのんが結構あった。
アイス・キューブがNWAで売れた後も母親と同居で、ごみ捨てしたり皿洗いしてたり、ってのはおかしかったなぁ。元祖ギャングスタでコワモテなラップで売ってたのに、うち帰るとすっごいふつうの生活が待っているという。でも彼の映画「フライデー」とかのイメージだとなんかそんなんも似合うけどね。でもNWAだからねー。当時。バリバリですよ。バリバリ。
写真とか殆どないんだけど、でも昔と違うのはちょっとYouTube探ると関連映像が平気で幾らでも出てくるところね。それでこの本の中に出て来る人たちが実際に動くところが見れちゃう。スゴイ。インターネット万歳!だゎ。まったく。
Behold a Pale Horse

Behold a Pale Horse


↑これは後半出て来る本で、白人でちょっとイッちゃったオヤジが書いたもの。でもなんでかロス暴動とかそんぐらいの時の黒人のアンチャン方に熱心に読まれてたんですって。まー要は陰謀論の類なんだけどさ。中身は。なんか心情的にピッタシだったのかしらね。
Almighty RSO - Badd Boyz
「ソース」誌で揉めて、編集部員総とっかえみたいなののキッカケになった人たち。
おれら「ソース」に載せろ、マイク4本くらいサービスしとけ、みたいに絡んでまーいろいろ人間関係があって、みたいな。
Paris-Coffee Donuts & Death(1992)
これはParental Advisoryとかが決まる頃に物議かもした人の作品。まージャケがヤバイんで、あれね。
結構カッコイイ。これ。
Watts Prophets - Rappin' Black (Broadband/DSL)
これはロス暴動の遥か昔、ワッツでなんかかんかあったあたりに結成されたポエッツな人たち。
On the Street in Watts

On the Street in Watts


Eazy E-Boyz n the hood
おれはまーこのあたりもぜんぜん知らんのよ。80〜90年代とかっておれにはほぼ空白だから。音楽の流行りとかの面でも。他の面でもだけど。だから「ヒップホップ・ジェネレーション」読んでても、お勉強してるとまでは言わないけど、なんか事項をただ追ってるだけ、ヒップホップの流行りとかに関してももうひとつ実感が持てないまま、といって若くもないので、あらためて熱く突っ込んでいくみたいにもなれなくて、「あーそーなんだー、そーだったんだー」っていう感じに留まざるを得なくて、若さのなさが悲しい。自分の経験のなさが悲しい。べつにヒップホップを特に当時、聞いてはいなくても、自分なりの音楽体験と自分なりの現実体験があればいいんだけど、それが欠けてて、自分の80年代の欠如でどこか虚しい。
スタイルウォーズ(日本語版) [DVD]

スタイルウォーズ(日本語版) [DVD]


Style Wars - Part 1/8
Flyin Cut Sleeves Clip
ギャングを追ったドキュメンタリー。
Ghetto Brothers And Assassinators 1982
これもそう。ギャングについての。こういうのが本で言及されてても、こうしてさらっと簡単に見れてしまうのがインターネット・ジェネレーション。
実際動くの見ると違うしね。本読んでるだけよりは。顔やファッションがちゃんと確認できてしまうってのは。動いてるししゃべってるしさー。
上記以外でもPVは当然、ドキュメンタリー、ニュースその他で「ヒップホップ・ジェネレーション」関連の映像はいくらでも拾えるから、読むときにはネットを用意するが吉。YouTube、ありがとう。
この本はヒップホップそのものだけじゃなく、ヒップホップを巡る、あるいは成り立たせる文化的、政治的状況に焦点が当たってて、そのへんが興味深いし、意外と読んじゃったところかも知れない。ギャングの抗争とか和平とかに関しても、またそれに伴う政府や行政の対応なんかについて詳しく書いてあって、あーそうなんだーって勉強になる。ってか、アメリカ、ひでーょ。めちゃくちゃ。コンプトンあたり、スーパーがぜんぜんないとかさ。夜間外出禁止令とかさ。どこの途上国だよって感じ。政治が不安定で貧乏な国と変わんないの。やってることが。だから起きることもそういう感じ。警察が平気で暴力ふるって、人も殺してんのに、平気で無罪んなっちゃうとかさ。すごいわ。金持ちの優先ぶりとかもさー、先進国じゃねーよなー。そういうのって。もうちっとマシんなってくんないと、やだよ、おれも。身内もいっからさ。向こうには。アメリカ、いい国んなって欲しいじゃん。日本に近いんだしさ。太平洋挟んで。それにいろんな意味で。近い。