蒼井優

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「百万円と苦虫女」観た。監督のタナダユキは美人だ。オチはない。
昔だったらおれはこういうのん観てある種の安心みたくなものを得、しばしホッとしたかもしれないし、いまでも少しはそうだ。けどでもいまこれだけじゃ足りないんだ。
こういう世間とのつきあいが上手くなく、関われず、ひとりで、あるいは似た相手と決意するしかない、そういう小さな、というか閉鎖的な充足じゃ、もうなんだか。
こういうのはいわばひとりごとで、ひとりごとにはもう充分飽きちゃってるんだょ。おれは人生上。未だにそのひとりごとの延長でこうして生きているわけで、こうして綴っているのもそのひとりごとの表明で、もうだからいいんだ、そういうのは。ひとりごとは。自分だけで十分、おなかいっぱい。
そしてできれば、いやそうすべきじゃあって、それはつまり、自分とは違う相手と関わること、自分からすれば異界の住人とも云える人たちと積極的に関わること、外の世界へと飛び出してゆくこと、いや、外とかじゃない、いま生きているココに生きること、ひとりごとなんかできればやめて、それは無理だけど、でも雑然とした中へと泳ぎだすこと、水を怖れないこと。じゃないと要は退屈なんだ。
タナダユキは監督としては凡庸で、蒼井優が移動するのも海へ行き、山へ行き、街へ行き、とただ頭で考えた並びを並べているだけで、「けいじ?」「刑事。」「ブホッ!(とストローで吸ったジュースをせき込む)」みたいなやりとりもただ紋切型というだけじゃなく力がなく平板で、そしてなにより、ここには監督の企図したものしかない。思惑を超えたものがなにもないんだ。云いたいことはわかる、けど、わかるものしかない。たぶん監督とおしゃべりしてもおんなじことをゆってくれる。でもそれじゃーハートに来ない。話しやすいかもしれないけれど、でもそれだけで。わるい気はしない。きらいでもない。おれも結局はそっち側の住人で、ある種の共感は持ってしまう、けどもっと大きなものが、監督の知らないことが観てみたいのさ。それが映画でもなんでも、なんだかそうで。Something Else.
映画見てて感じたのはどっか少女マンガっぽいなーってことだった。具体的に作家名など出せればおれも優秀だが、あいにくとそうもいかない。構図も人物もやりとりも、くちびるが触れ合うだけのキスも、セックスシーンがなく、ただふたり横になっているのも、アパートの家具調度も、蒼井優の着衣髪型も、みんなみんなどこかで見たような気のしてる。デジャヴ。
マンガのネームを実際の人物風景モノに移し替えたかのような、つまり映画にただ単純に翻案したかのよう。
いいわるいとかじゃなく、タナダユキの影響されたもの、表現の元になったものが透けて見えるかの気がしたってだけ。それをこうして記したかった。いわゆるオチはない、「オチはない」こんな便利な物言いもおおよそなく、だいたいほんとにおれの言説、大概はオチがない。