國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

山本夏彦

山本伊吾「夏彦の影法師」(新潮社 ¥1600税別)を購(あがな)う。
帯に「誰も知らない夏彦がいる」とあるが、これはまあ惹句なので仕方ない、
しかし、ここにいるのは正に知っている通りの(山本)夏彦である。
ちなみに山本夏彦の祖父は
《 先祖にそんな金貸し、今でいうならサラ金の親玉、 》(P.84)
だったそうである。山本伊吾氏の記述によれば。道理で商売っ気があった筈だ。
この本、山本夏彦が好きならば、なにかと胸に沁みる。