國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

きみの明かり

仕事帰りの電車の中/窓の外はもうまっ暗で/見えるものは家々の光だけ/あの光のひとつにきみはいる/ぼくたち会うことはもうないのに/こうして毎日きみの明かりを見ている/そして通り過ぎる/家に帰れば/ただ暗い部屋がぼくを待っている/玄関の前でためらって/目を閉じて/きみの家の光を思い描いて/この部屋にきみの明かりを思い出して